無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




写真・映画レンズの歴史的名玉の再生産

当初は中国で作ることで進めていたのですが、暫し迷走を経まして、最終的に東京で製造しております。最初から東京だったら日本風の名称になっていたと思います。注記がないものはライカL39マウント距離計連動です。

本ウェブサイトで多用されている「キノ」(独語:Kino. 映画、シネ、シネマの意)という語は、アール・デコ期からミッド・センチュリーまで使用されていた映画を撮影するための収差配置を指しています。我々が求めているのはボケ玉ではなく、キノに他なりません。

 特許などのコピーで古い設計の問題点を見つけて修正などはしていません。しかし1つ変えているところは、ガラスに鉛を使っていないことです(鉛はデジタルに合わないと考えています)。小店制作のレンズは基本的に、神奈川県相模原市のオハラを使用しています。ガラス・コーティングは使用しないことをお勧めしています。レンズの研磨は顕微鏡で見ると多くの傷があります。小店のレンズは特殊な油で磨いており、傷が一切ありません(ピッチ研磨)。日本でしかできないものです。また非常にエクセレントなヘリコイド、これも日本でしか作れません。職人の手の感覚でなければ製造できないためです。ネジも特注。どういうわけか、手工生産から来る描写は飽きることがありません。ライカがコストがかかろうともドイツ国内製造での手工生産にこだわっているのはこのためと思います。

 商標権が取得されている「プラズマート」は使用できませんので、多くの箇所で引用元の「**DE401630**Dr.Rudolph-Pat.」ような形で表記することに致しました。ご迷惑をお掛けします。 - 2025.3.17

 小店は消費税を支払っていない事業者なので年間売上を制限しています。2025年度は事業全体で既に超過しておりまして一部の顧客の皆様にお願いして決済を来年1月1日にしていただかなければなりません。P3の製造が高価で税を払うと赤字になるので確実に収める必要があります。しかし繰越を行うと2026年度に許容できる売上額はかなり低下します。どうしても広角を1つ作りたいので方法を考えたいのですが、そうしますと、2026,27年度で1つとなり、販売は12月末に合わせるとか、そういう感じになりそうです。ご迷惑をおかけします。 - 2025.10.01



 2025年作「院落 P3 60mm f1.2」の作例は以下です。
小店での作例 お寄せ頂いた作品
 小店制作のP1とP3は完売終了しています。

 院落 P2 50mm f1.5は再生産中ですが、小店は消費税上限問題があるので、友人の西村さんに販売を委託、彼は当初は自身の1本のみ製造する予定でしたが、コスト高になるため複数本製造し、彼が製造費も負担しています。全てコート無しです。完成後に西村さんへお支払いののち発送です。2026年2月末完成予定ですので、その頃に予約された方へご連絡致します。

院落 P2 50mm f1.5 310,000円
 本玉は作例をかなり掲載しており、投稿いただいた皆様、結構簡単に撮っているように見えるかもしれませんが然に非ず。芸術家が使う玉ですので、一般の方の使用には適していません。人類の99%は使いこなせませんので購入におかれましては十分ご注意いただきますようお願いいたします(P4,P5は、どなたでも使用可能です)。

 2026年は、「院落 P4 35mm f2.7」を製造します。
 予約数:11  (内、コート無:2)
 コーティング無しというのは光の透過率を劇的に下げます。ガラスと空気の間で光を失います。贅沢に垂れ流すところが良いのです。増幅器は真空管から進歩を重ね、今ではほとんど発熱しない集積回路になっています。だけどまだ真空管で音楽を聴いている人がいます。無駄に電力を消費しています。それと同じことです。この贅沢が描写に表れるのです。上澄みの綺麗なところだけ掬って飲む印象があります。かといってガラスに保護膜がない、フレアは出まくるでは困るとなります。そこでノンコートに近い仕様を依頼し、木下光学社長特注設計のコートを使用することにしました。

 2027年は、以下の3種の内、予約個数の多いものを製造します。最近はDr.ルドルフ設計の復刻ばかりになっております。中国人による空注文、しかも100個とかが非常に多いため、名前だけでなく、住所、電話番号などを明記されているものだけカウントします。購入歴のない外国人は1つしか予約できません。キャンセル歴の多い外国人も予約は「小店預かり」とし個数にはカウントしません。日本在住の外国人は問題が極めて少ないので日本人と同じ対応です。ここでの予約は締切前に連絡が来るというだけなので後でキャンセルしても大丈夫です。キャンセルの場合は返信せずに放置で問題ありません。
院落 P21 75mm f1.5」 予約個数 : 5  
花影 S2 35mm f1.5」 予約個数 : 2  
院落 P5 35mm f2.7」 予約個数 : 5  
 P21は巨砲に付き、高額となりますので、先に広角の方が良いのでは?と思っております。S2は同35mm。P5はルドルフ博士が惚れ込んで、この玉のために玉と同名の会社まで設立しました。最晩年の傑作です。



広角マクロの歴史的傑作 Makro **DE456912**Dr.Rudolph-Pat.
「院落」P4 35mm f3.3

詳細  2025.04.17

 限りなく静謐で繊細な描写、画を覗き込むような独特の佇まいがあります。ライカマウントでも製造されていました。マクロではおそらく史上最高の1つと思われます。

Makro Dr.Rudolph-Pat.DE456912 ガラス配置図

院落 P4 35mm f3.3 0円
まず見積を取りまして、製造個数毎の価格を表示いたします。製造数が増える毎に価格が下がりますので現在の予約数を表示します。個数が確定しましたら支払いをもって予約完了です。これまでと同じ方法です。予約は夏頃に締め切り、2026年末に完成です。

フィルター径?mm。至近距離なるべく20cm。絞羽?枚。重量は計算値で?g

ガラス・コーティングは、コート無しの味に近い特注コートを考えていますが検討中です。オリジナルにはコートはありませんでした。使われているガラスは全て耐候性の高いものです。しかし実物は現代の感覚では逆光に弱く、フードがあるとはいえ広角なので前方はオープンです。コートはあった方が良いように思われます。コートしないものは注文があった数のみ作ります。




戦前キノ・ガウスの標準 スピード・パンクロ Speed Panchro
「香箋」G1 50mm f2

詳細  小店での作例 お寄せ頂いた作品  2023.03.01完成

 100年以上長期に改良されながら今でも本家の英クックが製造している名作です。ボケ玉と言ってもいろいろありますが、英国人がボケ玉を規定するとこうなるという見本のような玉です。大英帝国時代に世界のセンスを取り入れ、さらに洗練してきた伝統がありますので独特の絶妙なバランス感覚があります。全くの普通、普遍美の究極というのは英国人ならではです。ボケ玉を絶妙なバランスで普通に落とし込んでいます。口径はf1.9ぐらいまで余裕はあるのですが、変更してしまうとパンクロにとって重要なバランスが変わってしまうのではないかと考え、f2のままで製造いたしました。色収差がニコラ・ペルシャイドと同等でありながら、バランスが良いというところが本作の価値と思います。

モノクロ、カラーLog撮影専用。Log撮影では「霜枝」UG1をご活用下さい。
香箋 G1 50mm f2 無一居 院落P1で香箋G1をライカM9にて撮影

香箋 G1 50mm f2 195,000円

香箋G1 帝国劇場 銀座の古いビル 帝国劇場 f2 ライカM9

香箋G1 舞台 新宿・初台 舞台 f2 ライカM9

香箋G1 渋谷横丁のネオン 渋谷 渋谷横丁のネオン f2 ライカM9




タンバール Thambar へのオマージュ
「花影」S1 60mm f2.2

経緯と詳細 小店での作例 お寄せ頂いた作品 2014.07.13完成

 ライカ・タンバールと同じような特性のレンズを60mm(厳密には58mm)に変えて作りたいと思ったのですが、これだけ短くすると無理だったので中止を検討。しかし本物よりこちらの方が良いのではないかということで生産することにしたものです。タンバールの上品なボケ味とペッツバール的収差、艶やかな発色、これほどのソフト・フォーカスはないと確信してのことです。光学の歴史上、最もゴージャスで貴族的な玉です。

花影S1 花影S1a  ゴールド(Nr.70-99)は真鍮剥出しのもので酸化が進むと色が濃くなってきます(既に濃い黄色になっております)。ブラック焼き付け(Nr.20-69)は弱く、角が剥がれやすい仕様でオーダーしていますので、角を磨いて真鍮地を出すなどして使うこともできます。ブラックのみガラスコーティング無しのモデル(Nr.01-19)もあります(モノクロ撮影はコート無しが良いと思います)売切。重量は360gです。

花影 S1 60mm f2.2 125,000円
90番台の幾つかのみ在庫。残数かなり少

花影S1 モノクロフィルム 二胡を拉くShibaten 北京新街口界隈 Shibatenさん f2.5 ライカM3 ネオパン ガラスコーティング無(北京のプロラボでスキャン)

花影S1 花 東京麻布十番界隈 花 f2.5 ライカM9 ガラスコーティング無

花影S1 街灯 東京麻布十番界隈 街灯 f2.5 ライカM9 ガラスコーティング無

花影S1 友達と雑談する女学生 アンコールワット エプソンR-D1 ガラスコーティング無

花影S1 壊れた石組 アンコールワット エプソンR-D1 ガラスコーティング無




M39 接写用リング 5mm 10mm

ライカ・スクリューマウント・レンズを接写で使う時に嵩上げする筒です。
小店で販売している唯一の中国製ですが、しっかりしています。
しかし嵩上げするだけのもので、マウントに収まったレンズの位置はバラバラです。
送料は込みです(クリックポストにて)。

M39接写用リング 5mm 1,500円

M39接写用リング 10mm 2,000円
M39接写用リング 院落 P2で10mmを使用。f4。トリミング無し



富岡光学レンズの復刻 小店が製造をお願いしている東京の木下光学研究所さんも旧・富岡光学時代の古い設計のレンズを復刻しています。



Creative Commons License
 Since 2012 写真レンズの復刻「無一居」 is licensed under a Creative Commons 表示 4.0 日本 License.