無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




大陸キノの最高傑作 Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.
「院落」P2 50mm f1.5

小店での作例 お寄せ頂いた作品  2024.11.23完成

Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.
1924-2024
百周年記念復刻

 商標権が取得されている名称は使用できませんので引用元の「**DE401630**Dr.Rudolph-Pat.」ような形で表記することに致しました。ご迷惑をお掛けします。 - 2025.3.17

 ウル・ライカに装着されたと言われ、オールド・ライカに最も影響を与えたパウル・ルドルフの傑作 Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat. f1.5は光学設計が残されていません。そこで最初期型をトレースして作ることになったものです。

チェーンがない最新の自転車に乗るPaul Rudolph、それを観察するErnst AbbeとOtto Schott チェーンがない最新の自転車に乗るパウル・ルドルフ、それを観察するエルンスト・アッべとオットー・ショット

 f2(製造はf1.9)が非常に良かったので、続いてf1.5もとなり、それでは75mmと考えたのですが、大きくなって価格も上がりますので、比較の意味もあって再度50mmでどうかとなりました。

 Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.は、f2のデータが残されています(独特許 DE401630)。これは業務仕様でつまりハリウッドでの映画撮影用、現在市場に残されている数からするとあまり売れなかったようで(当時のプロの撮影家は多くはない)、その後f1.5が設計されています。

Kino Dr.Rudolph-Pat.DE401630 f1.5分解図1
 写真レンズが設計できなかったエルンスト・ライツ社は、ドクター・ルドルフに援助を求めたようで、最初期のライカ試作品にはf2、さらにキノ・テッサーが装着されていたと言われています(ライカに装着されたルドルフ・レンズは他にも結構あったらしい)。しかしライカに最初からキノ(映画)用レンズでは難しいと思われ、マックス・ベレクがキノ・テッサーを改良したエルマーを設計したようです。Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.は、f2から後にf1.5に変えて販売されていました。市場にはf1.5の方が多く残されています。

 ライカの儚い描写の原点は? それはKino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.だったようで、ベレクの設計を解説する本にもKino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat. f2が解説されています(簡単な内容なので、ここに掲載できる情報はありません)。

 Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat. f1.5は光学設計が時代によって変遷しているのですが、最初期型をトレース致しました。使用ガラス、収差など既に明らかになっており、コンピューター上では確認できております。工場にはラージフォーマット 44x33でケラれないようにフードの長さなどを考えて貰っています。この設計は映画フォーマットで42mmまで迫れるのでギリギリと思いますが、キノですので画角が広くなると撮影は難しくなります。

院落 P2 50mm f1.5 Kino Dr.Rudolph-Pat.DE401630 P2 f1.5(左)、P1 f1.9(右)。かなり大型になっております。

院落 P2 50mm f1.5 310,000円

完成は2月末です。作例をかなり掲載しており、投稿いただいた皆様、結構簡単に撮っているように見えるかもしれませんが然に非ず。芸術家が使う玉ですので、一般の方の使用には適していません。人類の99%は使いこなせませんので購入におかれましては十分ご注意いただきますようお願いいたします。

専用フード付き。フィルター径49mm。至近距離0.65m。絞羽8枚。ガラスコーティング無 重量は計算値で213gです。


 一般に世間で多数出回っているのはf1.5です。下がHugo Meyerのカタログに載っているf1.5の図で、f2とはガラスの形状が少し違うのがわかります。VadeMecumを参照するとf2は映画用しか作られておらずレア、これを写真用に転用した例はLunar Cameraというほとんど木の箱という代物ですが、おそらく最初中判が出てこれには**DE401630**Dr.Rudolph-Pat. 90mm f2(キノは付きませんがレンズ構成はキノ)、その後ライカ判に変わった時に**DE401630**Dr.Rudolph-Pat. 50mm f2(これもキノ、つまりパテントデータのもの)に変えられたようです。レンズ交換は基本できないと思われ、にもかかわらず標準レンズにキノという、ぶっ飛んだ構想でした(本稿をご覧いただいているようなボケ玉使いのテクニシャンには何ら問題ないかとは思いますが)。尚この頃、ライカはまだ出ていなかった模様です。ライカの一番最初の試作にはこのf2が付けられた可能性があります。しかしf2のスチールへの転用は量産品ではおそらくルナー・カメラだけです。

院落 P2 50mm f1.5 Kino Dr.Rudolph-Pat.DE401630 外観図
Kino Dr.Rudolph-Pat.DE401630 f1.5分解図2


Kino **DE401630**Dr.Rudolph-Pat.
「院落」P21 75mm f1.5

2024.11.27

 75mmはかなりの巨砲で、直径はP3に近く、長さもあります。ライカの距離計に干渉しないか確認せねばなりませんが大丈夫と思います。P3と同水準の価格になりそうです。基本的には50mmをスケールアップしただけなのですが、そこから画角を絞りますので、50mmとはまた違うバランスになります。50mm f1.5はとても素晴らしい味わいで、それとはまた少し違う75mmは50mmと比較すれば端正な写りになりそうです。

院落 P21 75mm f1.5 0円

フィルター径?mm。至近距離?m。絞羽?枚。重量は計算値で?g

2027年以降製造

Kino Plasmat f1.5広告
 中判6x6では、おそらくビネットが出て画質も推奨できません。せいぜい645までと思います。強烈に濃厚な味となります。端正とは言ってもライカ判で結構溶けるところに、更に大きなイメージサークルとなりますので、印象派のようなのかもしれません。


戻る

Creative Commons License
 Since 2012 写真レンズの復刻「無一居」 is licensed under a Creative Commons 表示 4.0 日本 License.