Kino **DE401630**
1924-2024
百周年記念復刻
商標権が取得されている名称は使用できませんので引用元の「**DE401630**」ような形で表記することに致しました。ご迷惑をお掛けします。 - 2025.3.17
ウル・ライカに装着されたと言われ、オールド・ライカに最も影響を与えたパウル・ルドルフの傑作 Kino **DE401630** f1.5は光学設計が残されていません。そこで最初期型をトレースして作ることになったものです。
チェーンがない最新の自転車に乗るパウル・ルドルフ、それを観察するエルンスト・アッべとオットー・ショット
f2(製造はf1.9)が非常に良かったので、続いてf1.5もとなり、それでは75mmと考えたのですが、大きくなって価格も上がりますので、比較の意味もあって再度50mmでどうかとなりました。
Kino **DE401630**は、f2のデータが残されています(独特許 DE401630)。これは業務仕様でつまりハリウッドでの映画撮影用、現在市場に残されている数からするとあまり売れなかったようで(当時のプロの撮影家は多くはない)、その後f1.5が設計されています。
写真レンズが設計できなかったエルンスト・ライツ社は、ドクター・ルドルフに援助を求めたようで、最初期のライカ試作品にはf2、さらにキノ・テッサーが装着されていたと言われています(ライカに装着されたルドルフ・レンズは他にも結構あったらしい)。しかしライカに最初からキノ(映画)用レンズでは難しいと思われ、マックス・ベレクがキノ・テッサーを改良したエルマーを設計したようです。Kino **DE401630**は、f2から後にf1.5に変えて販売されていました。市場にはf1.5の方が多く残されています。
ライカの儚い描写の原点は? それはKino **DE401630**だったようで、ベレクの設計を解説する本にもKino **DE401630** f2が解説されています(簡単な内容なので、ここに掲載できる情報はありません)。
Kino **DE401630** f1.5は光学設計が時代によって変遷しているのですが、最初期型をトレース致しました。使用ガラス、収差など既に明らかになっており、コンピューター上では確認できております。工場にはラージフォーマット 44x33でケラれないようにフードの長さなどを考えて貰っています。この設計は映画フォーマットで42mmまで迫れるのでギリギリと思いますが、キノですので画角が広くなると撮影は難しくなります。
P2 f1.5(左)、P1 f1.9(右)。かなり大型になっております。
75mmはかなりの巨砲で、直径はP3に近く、長さもあります。ライカの距離計に干渉しないか確認せねばなりませんが大丈夫と思います。P3と同水準の価格になりそうです。基本的には50mmをスケールアップしただけなのですが、そこから画角を絞りますので、50mmとはまた違うバランスになります。50mm f1.5はとても素晴らしい味わいで、それとはまた少し違う75mmは50mmと比較すれば端正な写りになりそうです。
