無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




陣容

製造した、或いは製造したいレンズのリストです。

 レンズの歴史は単玉、そしてそれを貼り合わせた色消しから始まりました (光の三原色を混ぜると白になる。白が忠実であればすべての色は適切に表現される。アポクロマートは五原色を使って丹念に色消しする)。しかし貼り合わせ1枚では充分な画質は得られませんでした。それを2つ組み合わせてようやく良いものができました。そして集光もできるようになりました。これをラピッド・レクチリニア(専門書には略してRRと記載)と言います。

 そして人の目に美しく感じられる描写も求められ、収差の配置も追求されるようになりました。その原点になったのはペッツバールとダゴールです。ペッツバールは肖像用に設計されましたがやがて淘汰されました。しかしキノ(ドイツ語で「映画」)のための収差配置として現代まで基本概念が活用されています。一方、スチール撮影のためのレンズとして後代のあらゆるものに影響を与えた美意識の集積がダゴールでした。

収差図の見方 How to read aberration diagrams

ペッツバール Petzval    ダゴール Dagor

01 花影 Hanakage S類 肖像 Portrait
02 鼓灯 Kotou C類 トリプレット Triplet
03 清麗 Seirei T類 テッサー Tessar
04 湖楼 Korou X類 4枚編成 4-pieces
05 醉墨 Suiboku E類 エルノスター・ゾナー Ernostar sonnar
06 朦月 Mouzuki D類 ダゴール Dagor
07 院落 Yinraku P類 プラズマート・オルソメター Plasmat Orthometar
08 香箋 Kousen G類 ガウス Gauss
09 古柳 Koliu R類 広角 Wide angle
10 霜枝 Simoeda Z類 ズーム Zoom


花影 Hanakage S類

肖像 Portrait

 肖像用レンズは、黎明期にペッツバールが発明して以降、様々なレンズ構成へ変化しました

「花影」S1 60mm f2.2 キノ・タンバール Kino Thambar
「花影」S2 73mm f2 ヘクトール Hector 必要?
「花影」S3 75mm f2.4 ニコラ・ペルシャイド Nicola Perscheid 製造可能
「花影」S4 62mm f1.8 クック キノ・ペッツバール Cooke Kino Petzval 必要?
「花影」S5 ?mm f5.8 アプラナット Aplanat 必要?
「花影」S6 ?mm f1.4 グラマツキのキノ Gramatzki's Kino 必要?
「花影」S7 ?mm f4.5 ピンカム・スミス Pinkham Smith データ無し

ペッツバール型 ガラス配置図

七言古詩「月夜與客飮酒杏花下」

杏花飛簾散餘春  明月入戸尋幽人
褰衣歩月踏花影  烱如流水涵青蘋
花間置酒清香發  爭挽長條落香雪
山城薄酒不堪飮  勸君且吸盃中月
洞簫聲斷月明中  惟憂月落酒盃空
明朝卷地春風惡  但見緑葉棲殘紅


 杏の花が簾に舞い降り、春の残り香が散りゆく時に、月の光が戸口を通って照らす。衣をまくって月明かりを辿りながら花の影を踏みゆけば、流れる水が浮草を浸すが如し。花に囲まれ杯を傾ければ香り豊か、枝を拾って雪のような花びらを杯に落とすこともなし。山中の酒ゆえ薄いので、杯の中に月を浮かべて飲んで下さい。月明かりの中で響く洞簫の音が消え、杯に浮かぶ月まで消えるのを憂う。翌朝、春風が地面の花びらを飛ばしてしまったなら、せめて木々の間に残る紅の花をみつけてほしい。
アストロ・ベルリン Astro Berlin パン・タッカー Pan Tachar 50mm f2.3 赤い花弁


鼓灯 Kotou C類

トリプレット Triplet

 トリプレットは、英クック社によって発明された頃は汎用高性能レンズとして扱われていましたが、やがて肖像用として有力になりました

「鼓灯」C2 50mm f4.0 ベレク設計のトリプレット Berek's Triplet 製造可能
「鼓灯」C3 50mm f3.0 キノ・ハイパー Kino Hypar 製造可能
「鼓灯」C4 50mm f3.5 アンジェニュー Z Angenieux Z 製造可能
「鼓灯」C5 50mm f2.5 クック・トリプレット Cooke Triplet 必要?
「鼓灯」C6 40mm f3.5 ヘリアー Heliar 必要?

トリプレット型 ガラス配置図

西江月

小院朱闌几曲  重城画三通
更看微月轉光風  帰去香雲入夢
翠袖争浮大白  皂羅半挿斜紅
花零落酒花穠
妙語一時飛動


 朱色の簾の向こうから音が、3つの鼓の音が聞こえ、見上げるとうっすらと月が光と風を纏う。帰って夢を見る。ついに官服に戴帽して紅をあしらい酒を酌み交わす。明かりに照らされた花びらが舞い降りて酒に浸り艶やか、妙なる言葉が流れ出たことか。
ソン・ベルチオ SOM Berthiot シノール Cinor 35mm f2 太鼓
 花びらが赤であれば、赤いものが3つ。建物の壁(「重城」寺だったらしい)、女性の髪(香云)、蒼い薄絹(翠袖)に黒い帽子(皂罗)の組み合わせと暗いものも3つ。透けるものが簾に髪に薄絹、それに月と灯、鼓と妙なる言葉・・・濃厚な世界です。


清麗 Seirei T類

テッサー Tessar

 トリプレットから3枚目を貼り合わせ色消しにしたテッサーとその発展形

「清麗」T2 50mm f3.5 エルマー Elmar 不要?
「清麗」T3 50mm f2.5 アストラー Astrar 製造可能
「清麗」T7 50mm f2.8 イザレックス Ysarex 不要?

テッサー型 ガラス配置図

蝶恋花

雨後春容   只有離人,幽恨終難洗
北固山前三面水   碧琼梳拥青螺髻
一紙郷書来万里   問我何年,真個成帰計
白首送春拚一酔   東風吹破千行泪


 春の雨上がりは清々しくまた美しいがそれでも、ただあの人が去ったという、その悲しみを流し去ることは難しい。北固山を望むと三方が水に囲まれ、結った髪にかんざしを差しているようで、すべてが蒼く見える。はるか遠く、故郷から一通の手紙が届いた時に私はこう問う、いったい何年、必ず故郷に帰ろうと想い続けてきたことか。両親が送り出してくれた思い出を一酔いして忘れ、乾いた東風が流れた涙を幾度となく吹き散らしたことか。
ライツ Leitz ズミタール Summitar 50mm f2 桂林の山々
 故郷に帰るのがどれほど難しかったのか、知る由もありませんが、もしすぐに帰っていたら、この美しい詩は生まれなかったかもしれません。北固山の北峰は現代でも三方が河に囲まれている様子を見ることができるようです。春の雨が空気を澄まして美しい景色だったと思いますが、それでも気持ちはブルーになっていく悲しみが詠われています


湖楼 Korou X類

4枚編成 4-pieces

 ダゴールからの派生以外の4枚編成のもの

「湖楼」X1 50mm f2.3 パン・タッカー Pan Tachar 製造可能
「湖楼」X2 ?mm f5.6 ウナー Unar 必要?
「湖楼」X8 50mm f3.5 ステラー Stellor 製造可能
「湖楼」X9 ?mm f8.1 オルソスコープ Oethoscope 間違いなく不要

スピーディック型 ガラス配置図

七言絶句「六月二十七日望湖樓醉書其一」

黑雲翻墨未遮山  白雨跳珠亂入船
巻地風来忽吹散  望湖樓下水如天


 暗い雲が墨のように浮かんでいるが山を覆う程ではなし、明るい雨が珠玉のようで跳ね飛びながら船を打つ、やがて大きな風が吹いては雲と雨を散らし去り、眼下の水面が大空のように広がっている。
ソン・ベルチオ SOM Berthiot テレ-シノール Tele-Cinor 75mm f3.5 昆明湖
 写真というのは限られた枠があります。レンズは向こうを覗いているような感じがあります。狭い世界ですが、そこから見えるものは大空のような広がりを感じさせる、ふしぎな感覚があります。
 望湖樓という建物の名前が詩の中にありますが、杭州の西湖に現存しています。


醉墨 Suiboku E類

エルノスター・ゾナー型 Ernostar Sonnar

 エルノスター型、その発展系のゾナー型

「醉墨」E1 50mm f1.3 タホン Tachon 製造可能
「醉墨」E2 50mm f1.9 ウルトラスチグマット Ultrastigmat 不要?
「醉墨」E3 50mm f2 シネゴール Cinegor 製造可能
「醉墨」E4 ?mm f2 エルノスター Ernostar 不要?

エルノスター型 ガラス配置図
ゾナー型 ガラス配置図

西江月

怪此花枝怨泣   托君詩句名通
凭将草木記吴風   継取相如雲夢
点笔袖沾醉墨  傍花面有惭紅
智君却是為情穠  怕見此花撩動


 枝に咲く怨めしそうな花々はどんなか、あなたに詩を託したらきっとわかっていただける。草木は遙かに、そして優しげに風に寄添っている。筆を取っては墨に浸し、詰るあなたの顔がほんのり赤くなったのを思い出す。あなたはとても情が深く、この花々が乱れ散るのを見るのが怖いのです。
アストロ・ベルリン Astro Berlin ポートレィ Portrait 100mm f2.7 ペンと紙


朦月 Mougetu D類

ダゴール型 Dagor

 ダブレットを対称形にしたもの、それを3枚重ねにしたダゴールとその関連形で、肖像用以外のもの

「朦月」D3 60mm f2.0 ドグマー Dogmar 製造可能
「朦月」D5 50mm f2.5 アヴィアー Aviar 製造可能

ダゴール型 ガラス配置図

海棠

東風渺渺泛崇光  香霧空濛月転廊
只恐夜深花睡去  故焼高燭照紅粧


 東風を纏った光は夜闇に漂う。香りまでも霧のように空虚に霞み、月は廊下に姿を映す。夜が深まり花が眠ってしまうのを案じて、燭台を焚いて紅い花を照らした。
ライツ Leitz ズミタール Summitar 50mm f2 窓の奥の赤い光


院落 Inraku P類

プラズマート・オルソメター・ビオメター・クセノター型 Plasmat Orthometar Biometar Xenotar

 プラズマート型、オルソメター型

「院落」P1 50mm f1.9 キノ・プラズマート Kino Plasmat 製造販売終了
「院落」P2 50mm f1.5 キノ・プラズマート Kino Plasmat 製造中 在庫少
「院落」P3 50mm f2.7 マクロ・プラズマート Macro Plasmat 広角は無理
「院落」P4 40mm f4.5 ザッツ・プラズマート Satz Plasmat 間違いなく不要
「院落」P6 35mm f1.7 広角デルフト Wide angle Delft 製造可能

プラズマート型 ガラス配置図

春夜

春宵一刻直千金  花有清香月有陰
歌管楼台声細細  鞦韆院落夜沈沈


 春の夜更けの一刻は千金に値する。花は薫り月には陰。舞台上の音色は徐々に静まり、中庭のブランコはひっそりと消えてゆく。
ライツ Leitz ズミタール Summitar 50mm f2 柱と椅子の脚


香箋 Kousen G類

ガウス型 Gauss

 ダブルガウス型は基本形が6枚ですが、補助的に追加されていったものもすべてここに

「香箋」G1 50mm f2 スピード・パンクロ Speed Panchro
「香箋」G2 50mm f1.9 スーパー・シックス Super Six 製造可能
「香箋」G3 50mm f1.9 エクスプレス Express 製造可能
「香箋」G4 50mm f0.95 アンジェニュー M1 Angenieux M1 製造可能
「香箋」G5 85mm f1.5 ズマール Summar 製造可能
「香箋」G6 50mn f1.3 デルフト・ガウス Delft Gauss 製造可能
「香箋」G7 50mm f1.9 ヘリゴン Heligon 製造可能
「香箋」G8 50mn f1.5 フロール Flor 製造可能
「香箋」G9 50mn f2.0 ズミクロン Summicron 不要?

ガウス型 ガラス配置図

減子木蘭花

暁来風細 不会鹊声来報喜 却羨寒梅 先覚春風一夜来
香箋一紙 写尽回文机上意 欲巻重開 読遍千回与万回


 明け方に感じる風は細く、かささぎの声も聞かれず良い知らせもない。振り返って寒梅を羨み、晩に春の風が到来したことを感じる。香りのする便箋を一枚、思いを込めて記たためれば、もう一度開いて、何度も読み返してみる。
ゲルツ Goerz ダゴール Dagor 120mm f4.8 黄色い花
 これはおそらく、夜に眠れず明け方に散歩しては、帰ってきて恋文をしたため何度も読み返して確認するという情景だと思います。「細い風」は世の無情が突き刺さるように心を吹き抜ける様を表現し、吉報を予告するものとされるカササギ(七夕の夜に織姫と彦星を会わせるためにカササギが橋をかけるという伝説がある)の鳴声が聞かれるかと思ってみても聞こえることもなく、活き活きと咲く寒梅(まだ寒いうちに早咲きする梅)を羨んでみては、そうか、春が近づいているようだと気がつき、家に帰って机に座って買っておいた上等の便箋を取り出しては一生懸命に手紙を書き、畳んでは開いて何度も何度も読んでみる。と激しく移り変わる感情を44文字で表現しています。もし恋文でないとすれば、望郷の詩だろうと思います。


古柳 Koryu R類

広角 Wide angle

 主にレトロフォーカス(逆望遠)型など広角。

「古柳」R4 35mm 28mm 24mm グラン・アンギュレ Grand Angulaire 製造可能
「朦月」R5 35mm f5.6固定 グランダゴン Grandagon 中判
「朦月」R6 28mm f2.8 エルマリート Elmarit 製造可能
「古柳」R7 25mm f2.8 幻のクルタゴン Unreleased Curtagon 製造可能
「古柳」R8 ?mm f6.3 トポゴン Topogon 必要?
「古柳」R9 ?mm f8 ホロゴン Hologon 必要?

ホロゴン ガラス配置図 ハイパーゴン ガラス配置図

浣溪沙·徐門石潭謝雨道上作 其四

蔌蔌衣巾落枣花  村南村北响繰車  牛衣古柳売黄瓜
酒困路長惟欲睡  日高人渇漫古柳  敲門試問野人家


 棗(ナツメ)の花が衣に擦り落ちては、あちこちの村から機織りの音が聞こえ、キュウリ売りの姿が見える。路を往くと眠気がしてきて見上げると日は高いし、ゆっくりお茶を飲んで休みたいと思う。農家の門を敲いて人がいるか問うてみた。
アストロ・ベルリン Astro Berlin ゾフト・フォーカス Soft-Focus 75mm f2.3 ガラス戸
 1078年、蘇東坡が43歳、徐州太守任官時に旱魃があり、ようやく雨が降って、村々を巡回した時の様子を表現した詩です。最初の3つ段落は、田園風景と解放的な活気が表現されています。ナツメの花が服に落ちてスーと音がして見上げると村々から作業する音が聞こえ、野菜売りの声も響いてきます。この3つの段落は「音」と「衣」がキーワードで、いずれも生活感や安心感、活気や幸福感、喜び、保護といった心情を表しています。それに彩りを添えるのが、棗花、秦織機、キュウリです。使われている音が段々大きくなっていることにも注目できます。天から清らかな一滴が舞い降りて恵みを告げる知らせを感じ、耳を澄ますと遠くから静かに雨音が聞こえ、それが農民たちに待っていたものの到来を告げるような音となって響くという風に重ね合わされています。棗花は滴、秦織機は小雨、夏の暑い時期に売り子が甲高い声で売り歩く瑞々しいきゅうり。農村にならどこにでもある素材を使っていることから人々の生活への愛情も感じられます。太陽が燦々と輝いて眠気で恍惚としてきた平和な道中に渇きを感じた人が州の長官で、その人が農家の門を叩くところで終わっているのは含蓄があります。蘇東坡が太守任官時代に抱いていた民への愛情と親近感が感じられます。たったの7x6=42字でこれだけのスケールを表現できるのは驚きです。宇宙的な広がりが感じられます。あらゆる字が万華鏡のように幾重にも意味が重なっています。そして広やかな世界観が小さな棗の花から何かを尋ねるように控えめに叩かれたノックに集約していく様は圧巻です。スーと降ってきたものにコンコンと叩いて返すというところも。深いです。


霜枝 Simoeda Z類

ズーム Zoom

「霜枝」Z1 トランスフォーケーター Transfocator 不要?
「霜枝」Z2 パン・シノール Pan Cinor 不要?


贈劉景文

荷尽已無擎雨蓋   菊残猶有傲霜枝
一年好景君須記   正是橙黄橘緑時


 蓮は枯れ果て雨を撃つ覆いとならず、菊も霜の降りた枝を伸ばしているのみ。一年の美しい景色を思いに留めてみよう。まさに柚が黄色づき、みかんが緑の季節だから。
シュタインハイル Steinheil キノン Quinon 50mm f2 枝


簾照 Rensyou M類


少年游

去年相送 余杭门外 飞雪似杨花
今年春尽 杨花似雪 犹不见还家
对酒卷邀明月   风露透窗纱
恰似笎姮娥怜双燕 分明 画梁斜


 去年見送っていただいた時、あれは余杭の門外、雪が降って楊の花のようでしたね。今年はもう春、楊の花は雪のように見えるのでしょう。まだ家に帰ることができません。杯を傾けながら簾を上げて月の光を入れると風と露も入ってくるのでしょう。まるで姮娥が慈しむ2羽の燕の巣に光を入れてやるように。
シュナイダー Schneider ラディオナー Radionar 50mm f2.9 明かり
 杭州長官時代に災害が発生し、被災者を鎮江に引率したまま、春になってもまだ帰れない状況で、蘇東坡が妻に送った詩です。杭州から北西方面に旅行する人は、郊外の余杭まで家族の見送りを受けたようで、雪が降る日に妻と別れた時の様子を昨日のことのように思い起こしています。作者はこの詩を自分自身ではなく、妻の気持ちを代弁することで、妻の感情をいたわろうとしています。春になってもまだ帰らない夫を待って余抗を望む妻にとって、美しく咲き乱れる楊の花も、吹雪の中を夫が旅立ったあの日を思い起こすものなのかもしれません。まだ帰ることができないという句には、重みが感じられます。一人で酒を飲みながら簾を上げて月を眺めると、冷たい風が胸を突いて寂しさがなお込み上げます。姮娥とは不老不死の薬を飲んで月に行ったという伝説の美女のことで、2羽の燕を可愛がっていたと言われています。燕の巣にも月の光が射すようにしてやると、燕の夫婦を見てますます悲しみが増し、地球に残してきた夫を想います。


「無一居」の意味


「無一居」とそのレンズの名称はすべて、古代中国 北宋の詩人・蘇東坡の句から取材いたしました。

蘇東坡
紈素不画意高哉
倘著丹青堕二来
無一物中無尽藏
有花有月有楼台

 白絹地は何も描かれていない故に高貴である。もし藍で染めてしまったなら価値を失ってしまうだろう。何も無いことは無限を秘めている。ほら、花が見え、月が浮かび、楼がそびえ立っているだろう。

 レンズは本来、無色透明です。レンズを覘いて見えるのは何でしょうか? 皆様の写真生活が無限の可能性を秘めていることを願っています。

ソン・ベルチオ SOM Berthiot フロール Flor 50mm f3.5 感動を今からご予約下さい(阪急電車車両内の劇団四季の広告)

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