より広く、より近く撮影するマクロ・プラズマート
マクロ・プラズマート Makro Plasmatはドイツと英国の特許が見つかっており先に申請されている英国の方に2つのデータが、ドイツの特許にはその2つにさらに2つ追加して4つのデータが載っています (独特許 DE456912、英特許 GB261326)。どちらの特許にも所収されている2つのデータをまず確認してみます。
いずれもf3.2と指定がありますのでそれで出していますが、これは計算値で、実際の製造ではせいぜいf3.5ぐらいです。画角は書いてありませんので45度(50mm)、これぐらいが妥当と思います。
距離をレンズの先端から10cmのところまで寄せますと、だいぶん暗くなりf4.5で限界です。
これも距離をレンズの先端から10cmのところ、以下全て10cmまで寄せます。これもf4.5で限界です。
次にドイツの特許のみ記載がある2つです。1つ目はガラスの直径が5mm程の小型マクロ・プラズマートです。f6で画角は60度(38mm)で問題なさそうでしたのでそれで出してみました。
暗くなりf8で限界です。
最後の4番目の設計です。画角は64度(35mm)に広げることができ、口径もf2.9まで上がりました。製品化されたのはこれだったようです。口径は実際にはf2.7まであります。しかしマクロという前提なので最長1mからという計算で、それでf2.9というスペックになっているものと思います。f2.7にしてしまうと画角も制限され、しかしそれでもラージフォーマットは覆うことができます。緑の線はフルサイズです。
30cmまでが限界のような気がします。暗くなり、開放でf3.2になります。
結果的に後代の設計を見るとルドルフがマクロ広角にビオメター型を採用したのは筋が良かったことが証明されていますので、歴史的影響の点でこのマクロ・プラズマートの発明は価値があるものだったということになると思います。
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