写真・映画レンズの歴史的名玉の再生産
当初は中国で作ることで進めていたのですが、暫し迷走を経まして、最終的に東京で製造しております。最初から東京だったら日本風の名称になっていたと思います。注記がないものはライカL39マウント距離計連動です。
「キノ」(独語:Kino. 映画、シネ、シネマの意)とは、特にアール・デコ期(戦前)からミッド・センチュリー期(戦後)の映画用のレンズとかその特徴の総称です。本来はスチル(写真)ではなく、キノ(映像)を撮影するために作られたものです。
特許などからの再ビルドの場合、古い設計の問題点を見つけて修正などはしていません。しかし1つ変えているところは、ガラスに鉛を使っていないことです。ガラスは神奈川県相模原市のオハラです。ピッチ研磨という特殊な油で磨く工法により傷がないことで明晰な映像となり8K,16Kとかそういうスペックの制限はありません。量産とは映像が違います。戦前の品質です。ヘリコイドは日本で唯一の職人さんが手作業で作っており舐めるように滑ります。ネジも特注です。そのため製造に毎回お時間をいただいております。
商標権が取得されている「プラズマート」は使用できませんので、多くの箇所で引用元の「**DE401630**」ような形で表記することに致しました。詳細は「お問い合わせ」に書いています。ご迷惑をお掛けします。 - 2025.3.17
2027年は、以下の3種の内、予約個数の多いものを製造します。小店は消費税を納めていない事業者なので会計の問題で高額になりそうなP21は後回しになるかもしれません。ですがP4,P5の連続製造も如何なものかと思います。
映像はSpeed Panchroが最高です。特に戦前Kinoを比較すると最後に残るのはこれです。同系統の広角も望みたいところです。G1は広角にできないのでG2 Super-Sixで35mmを考えたいところです。改良変遷が多かったSpeed Panchro Iの1種です。ですが歴史的に人気が全くなく、設計製造の方では最高であるとしてカタログに載せ続け、一方で延々と売れない状況で80年代に遂に消滅しています。傑作と言われながら売れないという。そのため現代Cookeはアマチュアに販売する価格ではなくなっています。なくなるよりマシという。困ったものです。
広角ではフレンチが非常に良いのですが、評価が高いのはアンジェニュー R1かR11あたりです。素晴らしいのですがキノはR2です。ですがCマウントです。小さいフォーマットのものをライカ判に拡大するのはすでに
院落 P3 60mm f1.2で行い、非常に素晴らしいと確認しています。アンジェニューがOptis社(Kinoptik創業者も同時期にいた)を辞めて最初に作ったのがR2です。これがあるから独立したという自信作です。復刻を躊躇う理由はなさそうです。
大陸系Kinoの最後のものと言える戦前プリモプランです。本当の意味でゲルマンによる最後のKinoです。
2026年は、「
院落 P4 35mm f3.3」を製造します。
P1とP3は完売終了しています。
詳細 2025.04.17
限りなく静謐で繊細な描写、画を覗き込むような独特の佇まいがあります。ライカマウントでも製造されていました。マクロではおそらく史上最高の1つと思われます。
完成はおそらく2026年12月頃です。
フィルター径43mm。至近距離50cm(レンズ前玉からは45cmぐらいで、5mmの接写リングを使用すると計算値で31~22cmまで寄れます)。絞羽6枚。重量は計算値で120g
ガラス・コーティングは、レンズの性能は高めますが描写の味わいは失います。そこで下図のようなコート無しに近い特注の「広帯域フラットコート」を発注いたしました。有名光学メーカーがUVレンズなどに使用していた実績あるもので実物も出回っていますので、新しい発明ではありません。コートを嫌うが無いのも困るというデリケートなところで使われる類のものです。オリジナルにはコートはありませんでした。使われているガラスは全て耐候性の高いものです。しかし実物は現代の感覚では逆光に弱く、さらに広角のため前方はオープンです。コートはあった方が良いように思われます。コートしないものは注文があった数のみ作ります。
オリジナルはf2.7です。ですがコバ厚がほとんどなく、現実的に製造できる厚みを得るとf3.3となります(曲率、ガラスはそのままです)。そうしますと、球面収差(図では上の方がカットされる)がオーバーからアンダーとなります。どちらも僅かなのですが、描写に現れる違いです。そこで現物の作例を見ると焦点距離50mm以上はオーバーですが、35mmはそうではありません。そして暗いです。しかし表記はf2.7に統一して混乱を避けたものと思います。さらに現物は焦点距離37mmぐらいでしたが、これもガラスの厚みを製造に合わせると自然にそうなります。
院落 P2 50mm f1.5は山田スペースの出資で再生産されました。全てコート無です。都内のみ直接受取可能です。小店は消費税を納めていない事業者で売上の制限がありますので無理を言って山田スペースさんの方で販売の形にしてもらっています(そのため無理に販売ページを設けて貰って失礼しております)。ご連絡は小店の方でも大丈夫です。
P2 f1.5(左)、P1 f1.9(右)。かなり大型になっております。
映像はテスト確認のために再生産したもので撮影していますが、以前のものと同じです。YouTubeの方にP2の映像を結構載せております。
戦前Kinoは、ジャポニズム(浮世絵など)から派生したアールヌーボー、アールデコの強い影響にあり、当時の写真や映像はまだ中世以降の絵画的概念が残っていたという印象があります。現代レンズは商業的に汎用できるように作っていますが、戦前はまだ技術が進歩していなかったため商業と言っても限られた分野しかありませんでした。ですが商業用途が重要だったことでは昔も変わりませんでした(そもそも中世絵画もパトロン的、商業的でした)。このような背景で、戦前Kinoを使用して印刷に活用すればどうなるか、それは現代レンズと比較してどのように違うのかを検証するため、一冊の写真集を企画しました。
全編をP2 50mmのみを使用して撮影し、以後も参照に値する内容を志向しました。多くの現代人は都会に住んでいるので、その環境でどのように「抛入花」を生けるのか、様々なパターンを集めました。比較的単純な抛入の場合、花器は非常に重要になるため、後半に文物に関するクローズアップを所収しました。
紙は表紙と内容が
竹尾のヴァンヌーボで、見返し色紙のみ上質紙です。表紙と見返しを省いた中身が104頁です。大きさはA4の横長です。描写検証の目的が1つありますので大型写真集としました。
印刷数は30冊、初版のみで終了します。贅沢な紙を使用した大判少数生産で、しかも横長という少し特殊な製本なので高額になってしまい、4,000円送料込みで収支がギリギリ、実費分の価格としました(それで初版でやめようということです)。
植物の場合、あまりにはっきり写りすぎるのもグロテスクな印象で、リアリティがあり過ぎるのは写真にしてみた時にあまり良くないので、露出を若干暗めにしたりはあると思いますが、他には女性の場合はソフトフォーカスにする傾向とか、他には文化財撮影専門のところであればホワイトを極端に強めている例などを確認しました。そこでかなり考えたのですが、露出アンダーにしてみました。派手さはないのですが、落ち着いて良いのではないかと思ったものです。古い文物にも合うのではないかと思います。そこへ戦前Kinoの収差が隠し味的に加味されているところをご確認下さい。
100年以上長期に改良されながら今でも本家の英クック Cookeが製造している名作です(現行は第三世代)。香箋G1は第一世代の最初のものです(設計変更が複数あった第一世代の中でその一番目)。英国の主要な特徴は油絵のような表現で、その代表がカメラならRED、レンズならCookeです。強い色収差などの特徴があり、ボケ玉の範疇に入りそうです。
無一居 院落P1で香箋G1をライカM9にて撮影
写真撮影でフリンジが出た場合、
「霜枝」UG1、
映像の場合はDavinci Resolveなら「Respill(スピル除去)」を使用すれば消えます(UG1と同じ)。
(小店作例で処理を加えたものは注記しています。)
モノクロ時代の設計ですがモノクロでも色収差の影響はあるため当時から議論の対象になっており、収差を消したり加えたりを繰り返していたことが特許の記載でわかります。ハリウッドは色収差を加えることを求めていて、英国側としては消したいということでした。カラー時代になると過ぎたる色収差は負担となり、消す方向で第二世代へと進化しました。しかしデジタルではフリンジを容易に消すことが可能で、色収差の活用による濃厚な表現も維持できることから、小店としてはクラシックな設計に戻ることを勧めている次第です。
M39 接写用リング 5mm 10mm
ライカ・スクリューマウント・レンズを接写で使う時に嵩上げする筒です。
小店で販売している唯一の中国製ですが、しっかりしています。
しかし嵩上げするだけのもので、マウントに収まったレンズの位置はバラバラです。
送料は込みです(クリックポストにて)。
院落 P2で10mmを使用。f4。トリミング無し
小店が製造をお願いしている東京の木下光学研究所も旧・富岡光学時代の古い設計のレンズを復刻やオリジナルを製造しています。

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