神奈川県の池村様から作例を送っていただきました。下のリンク先にも本レンズの作例を掲載いただいています。
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スピード・パンクロ1代
香箋 G1
米国CookeでPS945を開発されましたクライヴ・ロス先生が作例を送って下さりました。色収差を気にしておられ、対象の縁が紫になっています。しかし小店からは、新しいSDカードに変えると紫は消えるとご説明しました。
しかし翌日、このままの状態でさらに撮影され、以下の作例はƒ5.6で2枚、 その他はƒ2で、彼によると「極端な状況」でも大丈夫だということでした。
小店の作例も含めて複数の方が撮影していますが、それのどれともクライブさんの画は違います。大判が主な方なのでそれに合わせたアルゴリズムを使っているのではないかと思います。使用アプリは Iridient DeveloperかAffinity Photoとのことです。ライカ SL2での撮影です。本レンズはポートレート用であろうと言っておられます。キノなので確かにその通りです。
ズミクロンとの比較を送って下さいました。スピード・パンクロ(香箋G1)とズミクロンでf2、ついで同じ順でf5.6です。こうして見ると、スピード・パンクロは結構なボケ玉です。ズミクロンで動画はキツいですし、スピード・パンクロでスチールは甘いです。狙っている表現が違うのが分かります。
G1 f2
ズミクロン f2
G1 f5.6
ズミクロン f5.6
さらに取り直しと思われる作例で、順番は同じです。
G1 f2
ズミクロン f2
G1 f25.6
ズミクロン f5.6
全てf5.6で、1枚目はズミクロン、2~4枚目はG1です。アプリで調整しているとのことです。
ズミクロン f5.6
G1 f5.6
G1 f5.6
G1 f5.6
これもいずれもf5.6です。
G1 f5.6
G1 f5.6
普段はこのような大判で撮影しておられるのでf5.6でも玉によって違うというところを追求する方向のようです。
ですが今度はf2で撮影しています。
最初の2枚がf2で明るさを変えています。後の2枚はf5.6です。
G1 f2
G1 f2
G1 f5.6
G1 f5.6
1つ目はiPhoneにて、2つ目はG1 f8です。これだけ絞っても描写が随分違います。クライブさんによるとiPhoneは撮影資料、G1は感性を撮るということで、携帯の場合は用途を考えると正確性、対してキノはそもそも女性の顔が克明に描写され過ぎては困る、雰囲気を撮るもの、これは元より明らかなのですが、f8でもそこは変わらない、球面収差が直立型の特徴で絞りに影響を受けない、どの絞り値でも基本描写に大きな変化はない、特に近いものを撮影すれば、ですが、この比較でそのことがよくわかります。鋏は、ニュージャージー州ニューアークで1837年に作られたハイニッシュ Heinischです。
このシュールな環境にて、iPhone、APO-Summicronとの比較です。iPhoneはとにかくナチュラルです。APO-Summicronは対象を引き付ける力を感じます。スピード・パンクロは中庸。やはり英国鏡、ダンディズムの究極は「目立たないこと」だとされますが、まさにそれを体現するような表現です。
iPhoneで撮影した遠景
iPhone
G1 f8
G1 f2
APO-Summicron f2