より近く、より美しく捉えるMakro **DE456912**
商標権が取得されている名称は使用できませんので引用元の「**DE401630**」ような形で表記することに致しました。ご迷惑をお掛けします。 - 2025.3.17
Makro **DE456912**はレンズ交換式以前のライカに取り付けられたり、他のカメラにも一般のスチール撮影用として使われ、マクロレンズとして供給されていませんでした。マクロ撮影という分野が当時からあったのかはわかりませんが、コピーなどの工業用途には供給されていたので、マクロとはそういう意味だったのかもしれません。またキノ(映画)にも供給されています。マクロでの撮影でも非常に良いようですが、しかし焦点距離35mmではグルグルボケが出そうです(光の状態による)。
ドイツのマクロ専門サイトにてローランドさんが撮影したものが4つあります。(同サイト内で探せばまだありそうです)
Meyer Görlitz Makro **DE456912** 2.7/105mm - Turkestanische Tulpe
Meyer Görlitz Makro **DE456912** 2.7/105mm - Farnwedel mit Rotbuchenblatt
Meyer Görlitz Makro **DE456912** 2.7/105mm - Feldahorn
Meyer Görlitz Makro **DE456912** 2.7/105mm - durchstrahlte Baldachinspinne
リンク切れがあってはいけませんので、ローランド氏渾身の力作と共にスクリーンショットを1つ掲載します。氏の作品は全て105mmでの撮影です。マクロですから長い方が良さそうです。
結果的に後代の設計を見るとルドルフがマクロ広角にクセノター型を採用したのは筋が良かったことが証明されていますので、歴史的影響の点でこのMakro **DE456912**の発明は価値があるものだったということになると思います。
Makro **DE456912**は、2つのデータが残っています (独特許 DE456912、英特許 GB261326、米特許 US1812717)。実際に製造されたものは最後の4番目の設計です。画角は64度(35mm)で、口径もf2.9まで上がりました。製品化されたのはこれだったようです。口径は実際にはf2.7までありますので、それで出図しています。マクロという前提なので最長1mからという計算で、それでf2.9というスペックになっているものと思います。
焦点距離35mmで出図していますが、50mm(下図)に変えますと半画角22.5度ぐらいとなりますので、非点収差図(中央)と湾曲(右)が半分より上がカットされます。サジタルとメリディオナル(点線)面のこの開きが肝心なので、35mmでなければ設計で意図した描写は表れないということになります。とはいえ、50mm以上でも、むしろこちらの方が収差が少ない分、いわゆる普通の描写です。
ルドルフ晩年の設計は本設計もそうですが、ライカに大きな影響を与えていることがわかります。50mmに制限するとライカのレンズのような収差です。
周辺光量は少なめです。