2021.10.6 横浜中華街
夕方から夜になりましたのですべて開放で撮影することにしました。
中央の主題に集約しようという強い意図が感じられます。このように意図を感じる程度までに留められれば良いのですが、昼間のようにかなり明るい状況であれば、周辺の流れが不快になりそうです。
暗いのでわかりにくいですが、左下の明るい部分を見るとほとんど流れていません。光量が少ないと安定しますね。そしてプラズマート独特の柔らかさが出ます。
夜ですが、中華ならではの巨大看板から煌々と照らされるネオンによって円周ボケが出ています。こういう収差は動画だからといって変わってくるわけではありませんから、動画でも同じように出ますが、音声や人物の動きに気を取られるのでそれほど注目されることはない、映画でこういう収差があっても気にする人はいません。
中華街のネオンを撮ろうということだったのでいっぺんに並べます。すべてほぼ同じ時間に撮影しています。空が明るく見えているものもありますが、実際には真っ暗です。オリジナルはf2なのでもう少し硬くなります。いずれにしても背景はソフトフォーカスです。プラズマートの特許は3つの設計が載っていますが、これはその3つ目です。後の2つはもっとソフトフォーカスです。ですからプラズマートとは、当時の映画用レンズの軟調に対し結論を出したものであるのは間違いないと思います。
同じ対象を距離を変えて撮影しています。遠くは割とはっきり映っていますが、近くは軟調です。しかし電灯の下あたりをよく見ると、そこははっきりしています。光が一定以上になると滲む、ということになります。目的は、主題をどう映すかということなのですから、暗い光では明瞭な方が良いし、明るい場合は何でもはっきり写ってしまうことから極力柔らかく捉えようという意図だと考えられます。ライティングで人物の柔らかさを変えることもできるのでしょう。
さらに近くと遠くの比較ですが、近いものも明瞭に映っています。しかし決して硬くはありません。この幻想的な感じがプラズマートのおそらく最大の特徴です。これが光源となると過敏に出てしまうということです。それもまた良いのですが。
柔らかくというのは埋没させる可能性もあります。しかし柔らかくも主題を引き立たせるために周辺のサポートがある、この落差が動画には必要ということのようです。
この2枚は極端な光の例で、撮影してはならないか避けるべき構図です。特に強い光源がある前ボケは良くありません。
ぐるぐると流れるというのは動きを感じさせます。静止画なら不要ですが、動画なら活かされそうです。
周辺が暗いので露出は完全に提灯に最適化されています。確かに焦点はしっかりしているのですが、どことなく柔らかい、ソフトフォーカスとも少し違う、これが主な特徴でしょう。