オールドレンズを使用しての動画撮影、写真から映像に移行するための技術関連のページです。
小店で撮影した映像は、無一居公式YouTubeチャンネルに掲載します。

スチル写真では、主に絞り優先で対焦し、シャッタースピードとISOはオートに任せます。映像でも絞りは決めますが、シャッタースピードは基本的に固定となります。適切なスピードは、フレームレート(1秒間のコマ数)の倍です。一般に映画仕様の24fpsで撮影されるので、シャッターは1/48になります。つまり、絞りとシャッターが事実上固定になります。そうしますと可変できるのはISO感度のみです。
アナログフィルムではISOも固定でした。購入したフィルムに大きくISO感度が書かれていました。しかしそれではあらゆる光量に対応できないので、明暗によって感度を数段変えて撮影しておき、その分を現像で調整していました。これをデジタルでモデリングしたものが各社から販売されています。「ベースISO」を決めており、そこから前後に変動します。ベースISOで撮影した時が最も高品質なのもアナログと同じです。
・SONY - シネマラインのキャメラ(スチルのカメラと区別するため動画ではこう呼ぶが最近では?)では、ISO 800に加え、高感度側(最近は4000がちょうど良いという結論になったらしい)、2箇所のベースISOがあります(デュアルベースISO)。
・SIGMA - 以前はISO 100と640のデュアルでしたが、最近は通常モードでの撮影は320、Log撮影(独Leica L-Log)は1250になっています。
・Nikon - ISO 800と6400です(シネマは米REDの技術)。
・Panasonic - ISO 800です。Log撮影で一部、独ARRI LogC3を採用しています。
国内外のプロ機材の品質が民生機でも使えるようになってきています。Log撮影では技術的にはISO 800ぐらいがちょうど良いようです。200まで感度を下げられるのですが、それでも日中では明る過ぎるので、NDフィルター使用が必須です。つまり、露出はISOとNDフィルターで調整することになります。Logで撮影するのなら、ポストプロダクション(撮影後の作業全般)での露出調整はかなりの許容範囲があります(とはいえ適正露出がベター)。NDフィルターは可変式なら1~5段ぐらいのものがあり、固定なら3,6段の2枚があれば十分と思います。
撮影の方法:フレームレートは各社24fpsが標準になっていますのでこれに合わせます。そのためシャッターは1/48に固定にします。10bit以上で撮影できる場合、それを処理できるアプリも必要です。DaVinci Resolveが無料で使えるのは4K 60fps 8bitまでです。
フレームレートは、映画の24fpsは少しブレが発生します。これをモーションブラーと呼び、人間の目に快適なので採用されています。テレビでは30fpsとしブレを抑えています。スポーツなどでは60fpsです。
撮影時に適切な絞りを任意に決定し、Log撮影の場合はファインダーやモニターで確認しながらISOを調整して露出を合わせます。これをNDフィルターでサポートし、場合によってはシャッタースピードも動かすことがあります。フリッカー(電灯のチカチカ)の恐れがない屋外ではシャッターを速くしても大丈夫かもしれません。
NDフィルターを可変とし、ISOも自由に動かすのであれば、露出に対して十分な自由度が得られます。しかしISOはベースから変更すると階調バランスが変わってきます。ISO 800がベースだったら、そこが平均です。暗いところを撮影して暗部のディテールを繊細に残したい場合、ISO 400や200とします。逆に明るい部分の諧調表現を重視したい場合は(あまり無いと思いますが)、ISO 1600やそれ以上とします。つまりISOも固定要素で、絞りと同様、主観で決定したい部分です。そうしますと、NDフィルターが可変でなければ適正露出は得られないことになります。NDを固定に拘るのならISOやシャッタースピードでの露出調整となります。
ベースISO 800が適正露出だった場合、400~200と感度を下げますと暗く写ります。ファインダーも暗くなるし、暗く記録されます。ですが、それが適正露出というところが難しい部分です。とにかくベースが800だったら、記録は800から変えていないのです。800で撮るけれども、暗めとか明るめに振っても構わないということなのです。ISOはベースから変えられず、表現によって上ブレ下ブレさせるだけなのです。そうしなければ、適正露出にならないことを確認してみて下さい。とはいえ、露出が多少ズレていようともLogで撮影している限り大丈夫なのですが、ノイズが増えたりしますので、AI的にクリアにしたりとか品質の低下があります。露出は極力合わせるのが無難です。
このようにLog撮影での露出は、ある意味で適当になる傾向です。スチルならその一瞬の決まった構図だけなのでそれだけで露出が決定できますし、オートに任せて大体は大丈夫ですが、映像は動くので変動要素が多くなります。肌に関しては綺麗に撮っておきたいということもあるので、その場合はゼブラ表示を使い丁寧に合わせます。映像もISOオートで撮影できますが、ポストプロダクションでの調整の幅が限られるので単純な記録のために使う程度となります。Log撮影ならかなり調整の自由があります。ですが後処理が必要です。そのため大抵の機種は、調整できる余地を残しつつ、何もしなくても大丈夫という中間のモードを幾つも用意しています。しかし最近はLogの処理が素人でもやりやすくなってきているし、シネマティックに撮れるので、おそらく今後はLogが標準になっていくと思います。上述したように各社、既にシネマモードへの注力に向かっています。プロの映画ように撮れるという方向になってきています。
プロの映画用機材は、レンタルが主流で、販売価格設定されていないレンタル専用モデルすらあります。最近は民生機器でも映画が充分に撮れるようになり、携帯で映画を制作する人たちまで現れました。SONY、Canon、Panasonic、オーストラリア・Blackmasic Designなどは、プロ機材から民生機器まで製造しています(どこで線を引くかは明確ではありませんが)。その中で、方向性として特徴的なのはプロ機材しか作っていない、独ミュンヘン・ARRIと米カリフォルニア・REDの2社です。ドイツとアメリカは戦前から映画大国で覇権を争ってきました。映画館への放映機材の納入も東西で境界を設けて独占していました。米ハリウッドはWestern Electric(ベル研究所の製造部門から分社化)、ドイツはKlangfilmが機材を供給していました。早くもこの頃から両国の哲学は異なっていました。デジタル時代に入っても撮影機材のARRIとREDは方向性を異にしていました。REDは現在Nikonに買収されていますが、既に10年前には8Kに到達していました。デジタルの可能性を追求していました。それに対しARRIは現在でも4Kが主流です。しかし階調を重視、アナログフィルムと同じ水準のラチチュードを持っています。
アナログフィルムは、現像段階で人間の目に自然な状態にして仕上げます。デジタル映像を開発したコダックがデジタルでもアナログをモデリングするのが最良と結論し、最初の段階でそういうものを作りました。これを現代でLogと呼んでいるものです。各社でガンマカーブが違いますが、最初期のコダックカーブはDaVinciで「Cineon Film Log」(カラースペースはRec.709)としてプリインストールされています。これはDaVinciにこれもプリインストールされているLut内の「Film Look」を使用する時に使います。
Logは以下のように狭いカラースペースに情報を記録していますので、画像は白けたものになります。これはすぐに人間の目に自然な色彩に変換(現像)できるのですが、変換後の画像を確認しながら微調整が可能です。これをカラーグレーディングと言います。
これを簡単に行うためのテンプレートと説明がありますのでご利用下さい。

音は極力収録するべきです。音楽を付ける場合でも、環境音がなければリアリティに欠けます。ですがキャメラ内蔵マイクの品質は良くありませんので、できれば外付けを購入したいところです。
マイクは指向性があります。おおまかに3種類で理解すれば充分です。まず、周辺の音を満遍なく採る無指向性とか、前方の方を重点的に録る単一指向性のマイクがあり、傾向の違いであって周辺の音を録るという意味で同じ部類のものです。これが1つです。さらに、周辺の音を排除して鋭く前方の音に集中して録るガンマイクがあります。撮影しながらナレーションする場合は、ラベリア(ピン)マイクを胸元に付けます。
単一指向性とガンマイクの中間ぐらいのものが使いやすいように思います。無指向性は丸に近く、ガンマイクは細長いのですが、その中間ぐらいのどちらでもないようなタイプが比較的バランスよく撮れ、使用頻度が高いと思います。人間の感覚として自然だからです。
動画は撮影中にブレますので、それを抑えるジンバルというものがあります。しかし大型となりますので、街でスナップ撮影などでは事実上、使用できません。何も使っていなくても、撮影が終わって目を離したら、横で呆然と立って見ている都民が稀にいたりします。興味がある予備軍ですので布教せねばなりませんが、東京人は他人に干渉しませんので珍しいことです。いずれにしても全く目立たないのは無理で、ジンバルなどの機材は企画物か、動物園のような撮影しても不自然ではないところでしか使用できないと思います。ものすごく小型のキャメラをジンバルやスタビライザーに付けて撮影しているYouTuberが結構いますが、これでもかなり目立っています。彼らは自分も写して喋ってますからね。
ブレはソフトウェアで補正できますが、揺れが激しいとその分クロップ(写真ではトリミングという)されますので、頑張って揺れないようにせねばなりません。結構難しいかなと思います。
