あらゆるものを絵本のような色彩に変えてしまうアストラー
アストロ・ベルリンの主要なラインナップはキノ(映画)と天体用(アストロというメーカーですから)で、天体はダブレット、キノはスピーディックかガウスが中心でした。スチール用ではテッサー型やその亜種がありました。ビーリケによって取得されたテッサー関連の特許データはおそらく2つです。このうちアストラー Astrarの方が良さそうなので復刻を考えています(独特許 DE634843、英特許 GB375723、米特許 US1888156)。
テッサーに1枚追加したものです。50mmです。しかし本データはf2.5で、実際に販売されたf2.7より明るいです。収差はf2.5の方で出しています。
球面収差がf2.7ならほぼゼロです。アストロの感覚ならf2.7ゼロを選んだのではないかと思います。無理すると見えますからね。抑えたものは余裕があります。1931年の設計ですが、この頃のテッサーはf3.5が限界だったので1枚増やしてf2.7はぜいたくなものではあったのだと思います。こういう補正の仕方はアストロの得意とするところだと思います。