無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




写真の中に桃源郷は見いだせるか5

人は時に現実より美しいものを見る - 2013.04.05


シュナイダー シネ・クセノン 50mm f2
Schneider Cine-Xenon 50mm f2

 スチル用のクセノン 50mmはf1.9で、キノ用としてはガラスの貼り合わせを1つ追加したf2があります。シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2です。目的が違いますので、描写も違っています。クセノンは元の設計が英クックで、そこからライセンスして貰いライカにも供給しましたが、クック社の方でかなり改良が多かったので変遷があります。シュナイダーは更に自社の設計師トロニエが改良していますので、クセノンと言ってもいろいろあり、シュナイダー社によるガウス型の総称がクセノンということになります。





 キノはスチルで使用しても味があるので本作もスチルカメラマンから一定の支持があります。キノは同時代のドイツでローデンシュトックやシュタインハイルなどもあり、いずれも非常に評価が高く、入手するのはかなり難しいと思います。シュナイダーは一貫して価格を安価に抑えていたので、シネ・クセノンも製造個数が多く入手しやすい方です。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 崩れかけた門  この間、近所を自転車で走っていたらある一角の解体が進められていました。古い通りが壊されていました。それでこれは記録しなければならないと思ってしまい、後でカメラを持って撮りにいきました。そこでまずこの門ですが、周囲は破壊されているのにこれは残っています。門をくぐると奥にはまだ住居が少し残っていて人もいました。しかしそのことと門が残っていることは別問題だと思います。旧北京城内のこういう門は、かつては屋敷があったところで、中は財産分与で細かく区切られ、その影響で資産価値がない建物もあります。価値がある物は丁寧に大事な部分を残すのだと思います。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 門の彫刻1 シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 門の彫刻2 シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 門の彫刻3  門に近づくと立派な彫刻があります。こういうものは骨董市場に流れるのか、保護区の補修や建築に使うのだと思います。木材が貴重なものである場合もあります。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 門の鉄鋲  門扉自体は文化財としての価値はなさそうです。ただデザインは最近では見かけられなくなったものではあります。非常に繊細な描写です。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 古い円柱  円柱が端に置いてあります。文化財的な価値があるものだろうと思います。蒲田という表記は何でしょうか。そこら中に道案内的に書いてあります。つまり他人の家の壁に自分の名前を書いているということです。それもそこら中に。元は屋敷だったところを細かく区切っているので壁の所有権利関係があいまいなので問題にならないのだろうと想像されます。これだけ距離を空けてもボケが乱れることはありません。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 遊ぶ子供  あたり一帯で壊しているので、子供も工事現場で遊ぶしかありません。子供というのは不思議と世界中同じです。大人になると変な常識が身に付いてしまうのでしょうか。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京西駅遠景  今度は大きく場所を変えて、軍事博物館方面から北京西駅へ向かいます。駅の巨大さは世界最大級です。大きくて疲れます。それでも人口が多いのでこれでもまだ場所が必要なように感じられます。北京には他にも3つ駅があります。天気が曇っていて雨が降りそうなぐらいですので、f2開放で撮影するにはちょうど良い感じです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 山西刀削麺  通りから脇に入ると料理屋があります。キノの場合、動画ですから動きがあり、カメラが動く場合もあります。映像は上下がクロップされますから、特にパン(横へ動く)した時の滑らかさは1つ評価基準です。プラズマートのようなグルグルが出るものは、そのあたりはとても良いのですが、そこまで収差を足さなくても大丈夫だろうという方がどちらかというと主流で、シネ・クセノンはその類です。これはスチルなので動かしていませんが、動かしても滑らかだろう印象があります。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京日報  三輪車は古い物が大事に使われているのがよく見られます。それでも四角形の錠はかなり珍しくなりました。三角形はダメなのでしょうか。折畳めないので駄目なのです。ボケはシュナイダーらしい綿のような質感です。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 道路標識裏の広告  博打必勝法超絶技の広告が貼って有りますが・・・すごく高いところに貼り付けているのも超絶級です。こういうことは中国人以外ではインド人ぐらいしかやらないと思います。この歪み具合から察するに棒を使って貼ったと思います。広告を貼るのにベストの位置なのもまさに超絶級です。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 携帯で北京西駅を撮る人  この道を渡ると北京西駅です。最近は携帯で簡単に写真が撮れるので駅を撮影する人は多いです。北京西駅は上京する出稼ぎ者が毎日入ってくるところです。家族に写真を送るのでしょうか。見知らぬ大都会にやってきて不安な面持ちで通っていく人がたくさんいます。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京西駅前バス亭  駅前のバス亭です。非常に空いています。おそらく清明節だからだろうと思います。こんなに人がいないのは年中通してもほとんどないと思います。普段は人で埋め尽くされている感じなのです。車道まで人でいっぱいです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京西駅近景  ついに北京西駅の真下に出ました。ピントが合っているのは「北京」の文字あたりで前後はボケています。こういう効果も仰ぎ見るような感じで良いと思います。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京西駅改札  検札というのは何回もあって、まず構内に入るのに一回目があります。それがここです。切符がないと基本的に入れません。以前は2ヶ所しかなく、人力でやっていましたが、最近はコンピューター化されて良くなりました。入口も増えて渋滞がなくなっています。こうしてだんだん先進国のようになっていますが、田舎に行くとこういう変化は残念に思うこともあります。古い昔ながらの駅というのはとても魅力があります。同郷の出稼ぎ者が大きな荷物を固めて円陣を作っている光景はなかなか無くなりません。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 北京特産売り場  駅前広場の真ん中には北京特産物を販売する売店があります。そして手前左側にイスに座っている人たちが見えますが、献血受付です。このあたりは世界共通のようです。奥の白い建物にもショッピングセンターが入っていて上階はホテルです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 便利店  駅の2階にも改札がありますので、その脇にコンビニがあります。とにかく駅構内に入ってしまうと何でも高額です。倍ぐらいになります。そのため一般に旅行する時は近所のスーパーで食料を調達して一杯詰めた状態で駅に行くのが普通です。中国は広いので何時間も列車に乗らなければなりません。最近はようやく新幹線があちこち開通するようにはなって速くなりましたが、飛行機より高いというのが市民の悩みのようです。上海まで行く時は新幹線で4時間かけて行っています。飛行機だとおそらく2時間半ぐらいです。しかし空港は遠いし何かとたいへんなので、どちらが良いかは微妙なところです。時間も結局はあまり変わらないのです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 敷石  こういう画が撮れるのも閑散期だからで、普段であれば人が多くて無理です。こういう場所は日本であれば綺麗にワックスをかけていますが、それは国際的には異常で、こうして汚れているのが当たり前です。しかしこうしてみると水墨画の空白部分のような印象が感じられて味があります。戦後ドイツのボケ味ゆえに味わえる画だろうと思います。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 地下への階段  駅前広場には地下に降りてゆく階段があります。ショッピング街があるためですが、去年末にここにようやく地下鉄が開通して便利になりました。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 電話ボックス  地下はまだ古いままで昔の陰気さが残っていてなかなか良いものです。その中で強烈な存在感を放っていたのがこれで、電話ボックスの天井上の表示です。この横に階段があるので、簡単にこの位置から撮影できるのです。このタイプの古いものは今やほとんど残っていません。電話ボックスといっても一般的なものではなく、おばちゃんがブースの中に座っていて客が電話を借り通話時間と距離によって後で精算するというものです。各種SIMカードも購入できます。日本だと地下であれ、どこでも明るいのでこういう表示が目立つことはありませんが、海外では強烈に存在感があります。あたりが真っ暗だからです。日本のように贅沢に電気を消費している国は珍しいと思います。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 木偶劇院  さらに場所を変えて今度は夜の撮影です。前から気になっていた大きな劇場「中国木偶劇院」ですが、木偶というとピノキオが連想されますが、たぶん違うだろうと言うことで少し入ってみました。外観は城をイメージしたデザインです。ディズニーランドでも真ん中が城ですが、この演出は子供の心を掴むようです。男の子には戦いをイメージさせ、女の子には王子様、ちょうど良いようです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 愛国創新包容厚徳  夜でもはっきりわかるようにコンセプトが大きく掲揚されています。党の指導に基づくと思われる「愛国 創新 包容 厚徳」の句が見られます。チェックを受けた健全な内容ということになります。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 木偶劇院の上演内容  ありました。これが上演内容です。やはり確実にこれは子供用です。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 KFCで宿題する学生  劇場の客席はひな壇形式だろうと思いますので、その下の部分には空きがあります。そこにはショップが入っています。角にはKFCがあります。ここを進むと階段があって半地下に入っていくような独特の形になっています。全体的に見通しの悪い形状だからか、学生が集まって勉強したりということがやりやすいようです。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 粥面故事  粥と麺のファーストフード店です。この店はもうこの時間には閉店しているようで、従業員の男性2名が食事をしているようです。中国式のファーストフード店というのは結構種類があります。北京南駅のような近代的な大きな駅にはたくさんあります。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 ブティックと犬  本レンズは白が印象的なように思います。白が優勢な画であれば結構冴えるように思います。ですがキノ玉は特に戦前のドイツものはどれも白が強く出ます。犬が入り口でずっと待っています。餌を貰いに来たのでしょうか。

シュナイダー Schneider シネ・クセノン Cine-Xenon 50mm f2 飲料店  木偶劇院の端まで来ました。通りを挟んで向かいにプレハブの商店が並んでいます。これはおそらく豆乳をベースにした飲み物です。時間が遅いのでもうお客さんはいなくなっています。疲れたのか主人は眠ってしまいました。

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