ドイツは優れたレンズが多いし個性も豊かであることと、日本が勢力を増してくるまで力があったので戦後の資産が多いということで、良いレンズを探すのに理想的です。「良いレンズ」は人によって違うので一概に言えませんが、それを無理やり決めにかかるとシュナイダーはその最終結論の1つに成り得ると思います。現代の高級ライカレンズはシュナイダーの設計とされていますが、それも必然のように感じられます。現代ライカと古いシュナイダーは同じ物ではなく、古い方がゆったりした感じはあるように思いますが、その程度の違いしかないので、現代ライカが高すぎて買えなければ古いシュナイダーを買えば良かろうと思います。昔から非常に人気があったので製造個数がたいへん多く、その影響でかなり安いからです。
シュナイダーはレンズ専業メーカーということで、あちこちにレンズを供給してきたことから、実にいろんなものがあり、あまり良くないものもあります。その中で西ドイツが生産していたエディクサ Edixaという一眼レフ用に供給していたものはどのメーカーのものも質が高いように感じられます。カメラの製造会社が口出ししなかったからだろうと思います。シュナイダー Schneiderもエディクサ用(M42)でありますので、そこからクセナー Xenar 50mm f2.8をチョイスします。
戦後スタンダードになったテッサー型とダブルガウス型は両方共、シュナイダーによってクセナー Xenar、クセノン Xenonとして製造されいずれも傑作です。クセナーには清々しさがありますが、クセノンはふくよかでゴージャスです。
北京動物園入口です。テッサー型のレンズですから開放でも問題ないかと思いきや、そんなことはなく、結構厳しい写りです。遠景を開放で撮影するのは無理と思った方が良さそうです。ボケもあまり上品とは思えません。テッサーもf2.8に達すると難しいのだろうと思います。
動物園ですから子供が多いです。「見たか?」と子供に呼びかける親が多くいます。子供はイメージと本物が違うので複雑な表情です。このエリアはライオンや虎ですが、なぜかホワイトしかいません。ホワイトタイガーは見れますが、普通の虎はいません。全部白毛です。これぐらい近いものを撮るとシュナイダー独特の質感がはっきり見分けられるようになるように思います。
多くの遊覧客はパンダが目当てなのでこのように柵に群がっています。これぐらいの距離であれば、開放で撮影してもあまり問題ないようです。
最近設置が始まったと見られる新型のゴミ箱は、ほとんど新品のような外観なので奇麗ですが、それにしてもクリームを混ぜたような感じがあります。若干加えられている色収差のためと思います。
綿飴とアイスクリームを売る店です。この服務員のシャツの質感からもシュナイダーの個性が感じられます。絹のような陰影があります。
全く同じことをしているようで、実はぜんぜん違う老夫婦です。帽子やかばん、その掛け方まで似ているようですべてが違います。一方は寝ており、他方は携帯を弄くっています。日陰なので程よい光量を得たことでシュナイダー独特の艶やかさがありますが、クセノンの方が派手に出たと思います。クセナーはレンズの厚みの総量が少ないためではないかと思われます。
日陰の所から一部に日が差しているという状況です。灯のような優しさがありますが、肉眼ではもう少し硬めに見えます。この表現の仕方はシュナイダー全体に言える特徴のように思います。左の中年夫婦ですが、中国ではこういうのは多く、特に珍しくはありません。
この2枚はピントを外してかなり奥に行っています。焦点より前のボケはあまり奇麗とは思えません。できれば、焦点は引きつけて撮った方が良さそうです。
鳥や猿のエリアです。色彩の淡い感じがあまり良い印象ではありませんが、R-D1以外のデジカメで撮影するのであれば、これぐらいでちょうど良いと思います。クセノンでは濃過ぎるかもしれません。
園内の動物はかなり人間に慣れていますので、こういう屋外の鳥などは寄ってくることがあり驚かされます。子供が叫んでも逃げないし、人に囲まれても怖くないようです。手を差し伸べるとこちらを向きます。日本の鶴は警戒心が強いので、これだけまじかに見ることができる体験ができる本コーナーは興味深いと思います。
アフリカの鳥はしっかり金網で保護してありますが、それでも人には寄ってきます。たいへん貴重な鳥のようですが、これだけ真近に接触可能なのは心配になってしまいます。何をやっても喜んで食べます。上の2枚を一緒にするとこうです。
シマウマが人になついています。背中までむけて子供に撫でさせています。ずいぶん自由な雰囲気です。こういうことは普通なのでしょうか。
シマウマは加齢に伴い気性が荒くなる。またサラブレッドのように人間になつくことはほとんど無く、騎乗や運搬用に訓練することが困難である。- ウィキペディア
中国人がこのウィキペディアの記述を読むと反発するのでは?と思ったので、中国語版を確認します。かなりしっかり見ましたが、どこにも同じ文はありません。最近、こういうこともありました。北京動物園アルパカ事件 たぶん、アルパカは喜んでいたと思います。おびえたのは飼育員だったと思います。そこらのサファリにいくよりも、北京動物園の方が価値があるかもしれません。シマウマに乗っかっても大丈夫そうです。北京市民はフレンドリーですが、動物までフレンドリーです。
キリンも人に寄ってきます。首が届かないのですが、それでも伸ばしてきます。そして草を食べたりします。時間帯によっては、ニンジン販売サービスもあり、キリンにやることもできます。
交流させてもらえない動物もいますので、ふくれています。
地下鉄で広告を見ると「北京のミュンヘン、世界の狂乱祭り」とあり、陽気なドイツ人が写っています。左下には「ミュンヘン・ビール祭」とあります。ビールをたくさん飲めるのかなと思って行くことにします。
北京ミュンヘン・ビール祭
ウェブサイトを見ますと、広告と同じ写真があり、パビリオンが4つあることがわかります。それ以外はよくわかりません。行けばわかるだろうということで、とりあえず向います。
「オクトーバーフェスト」とあります。これがビール祭りの正式名称です。ここから入場します。
背景にパビリオンが見えます。なぜか中国のどこかの肉加工品を売っています。欧州チーズにするべきだったと思います。このチグハグさはドイツ人の仕事ではないなと感じられます。マスコットまで、しかも結構な数を繰り出したところを見るとスポンサーなのだろうと思いますが、主役を喰うようなやり方に違和感があります。
パビリオン内はこのようなステージがあり、音楽をやっています。4つのパビリオンすべてがほとんど同じなので、違いがわかりません。内装の色が少し違うぐらいです。収容人数を増やすだけのために4棟建てたという感じです。ウェブページを見ても、今一つ意図が見えてこないのはこれが原因だと思いました。中国で事業をする場合は地元企業と共同出資の形を採らないといけませんので、中国人が口を出し、ドイツ人がある程度好きなようにやらせていることで妙な違和感の感じられるものになっているのだと思います。ドイツ人の割り切りが感じられます。
楽団です。これも中国人の趣向に合わせているのが明々白々で、テレサテンまでやります。純粋なオクトーバーフェストを見たければミュンヘンに飛ぶしかなさそうです。
ところが、ステージ付近に陣取っているのは、在中ドイツ人等と思われる民族集団です。
多少の盛り上がりも見られますが、ごく一部に限られます。中国人はあまり騒ぎませんので、盛り上がりといっても規律のようなものが感じられます。共産ですので、マスゲーム的何かに関しては結構規律を発揮することができます。
大部分の客は静かに座って食事をとっており「世界の狂乱祭」という雰囲気は皆無です。受け止め方が冷静であることが感じられます。本レンズのボケは、涙を流した時にむりやり前を向いた時の見え方に似ています。
テレビに「干杯」と映し出されました。乾杯のことです。多くの中国人は好ましくないと考えています。食事の時にすぐに薬効について説明する習慣がある彼らにとって当然の考え方です。日本の一気飲みの習慣も理解不能であり、私に「日本人はどうしてそんなことをするのか」と質問する人さえいます。私は「死者も出るよ」と言うとまた「何で?」と聞きます。「死ぬと思って飲んでないから。無理したら死んじゃったんだから」と言います。「日本は自殺者多い」とかも言ってきます。私は基本「あなた方の方が賢明」と答えるに留めています。時々「日本人もあなた方のように仕事をすればストレスが溜まらないのだが」とも言います。「そのとおりです」と言われます。写真を見ると一名、グラスを挙げている人がいますが、ただ合わせているだけで、この後すぐにテーブルに置きました。
服務員は、泡が治まったところでまた泡を足しています。液体が1L、プラス泡といったところです。
液体と泡の境目の線が1Lを指しています。液体が僅かに上回っています。この辺の几帳面さはドイツ人の教育の成果なのでしょうか。
パビリオン2階のベランダは人気があるのか、人で一杯です。
服務員の基本的な男女の制服です。いわゆる「ホール係」などと言われる業種の制服です。これについては何か突っ込みを入れようかと思いましたがやめておきます。仕事よりも大切なものを見つけたのかな、というだけに留めたいと思います。
シュナイダーの色彩感はパステルなので、こういう色合いの構図は合うのかもしれません。ドイツの民芸品店です。
最後に入り口付近全景を撮影して終わります。暗くなって光が落ち着くと、開放で遠景を撮っても割としっかり写るようです。