デジタル写真の調整法としては、もっとオーソドックスな方法を使いたい場合もありますし、その方が多いと思います。HDRは微調整が可能とはいえ、特殊効果用のソフトであってグラフィック志向ですが、写真本来のエフェクトであれば、
COLOR Efex Pro これを使います。バージョン4が最新ですが、これはありますので最新版で確認します。エフェクトは55あります。
ここでは古い街のこの風景をオリジナル画像に設定します。レンズは同じくライカ・ズミタール50mm f2開放です。ピントは中央付近にあり前後はボケていますので、そのあたりも参考になるかもしれません。この状態では一切の加工を加えていません。
開くと画面はこのようになっています。左に55のフィルターがあり、選択後、右の欄に調整スライダーが適宜に出ます。複数追加も可能です。
最初に「PLフィルター」がありますが、本作例では変化なしでしたので飛ばします。晴天下で撮影したものを調整するのに使うものです。次に「色かぶり除去」というのがあります。これを適用するとパステル調に変わりました。
「インク」を適用してみます。これはセピアに変えるエフェクトを他の色にも拡大したものです。全部で11種あり、画面全体が青や黄色に変わりますが、この例では、色を偏らせる機能をカラー的に調和良く適用した特殊なものです。
「インディアンサマー/紅葉」です。黄昏時の雰囲気を加えます。微妙に違うものが4種類あって入念に効果を加える事が可能です。
「インフラレッドフィルム」は全部で9種類あります。全部効果が違いますので、ここから9つ全部ご覧いただきます。モノクロ4種のうち最初はこれです。一般的なものだと思います。
2つ目はソフト効果を掛けるものです。
3つ目は、鉛筆でデッサンしたような感じになります。
4つ目は、デッサンのソフト型でしょうか。
カラーの1つ目ですが、セピアのようでそうでもない、という感じのものです。
硬い水彩画風です。
先ほどより赤味を強調したものです。
黄色の強い画です。
これは色褪せた感じです。
「ヴィネット」です。暗角を入れるものです。
同じヴィネットでも、四角に入れるものもあります。
別のフィルターとして「ヴィネット・ブラー」というものもあります。シネレンズのような周辺収差を再現するもののようです。
ヴィネット・ブラーのバリエーションで白くなるものもあります。これは軽度で、重度のものは真っ白になります。
「ヴィネット・レンズ」です。レンズの暗角は光の状態によって出方が一定ではないので、それを再現したものと思います。
「オールドフォト」は全部で12種類あります。少々多いのですが、オールドレンズを扱う小サイトでこれを省くわけにいきませんので長いですが全部羅列します。
19世紀風でしょうか。
20世紀初頭風でしょうか。
戦中のモノクロでしょうか。
大戦末期でしょうか。
戦後でしょうか。
高度経済成長期でしょうか。
戦前のハイカラな画でしょうか。
戦前のコンテでしょうか。
オイルショックあたりの写真でしょうか。
昔の発展途上国の現像液を使ったのでしょうか。
大正期の彩色でしょうか。
「画像フレーム」です。幾つか種類があります。枠を入れるものです。
続いて「カラースタイライザ」「カラーライズ」の2種があります。パレットから色を細かく指定して全体に被せるものです。これはカットします。
昔のソフトフォーカスレンズの復刻です。ベス単でしょうか。
「グラデニュートラルデンシティ」は上下に分けて階調を調整しその境目やブレンドなどを調整するものです。地平線の撮影に使うものと思います。「グラデフィルタ」「グラデフォグ」「グラデユーザーディファインド」は上から色の付いた膜が垂れ込めてくるものです。グラデフィルタは全部で16種の色から選びます。グラデフォグは白い霧です。グラデユーザーデファインドは、色を細かく指定するものです。これも見なくていいでしょう。
輝く部分の輝きを調整する「グラマーグロウ」です。色温度も変える事ができます。
「クロスバランス」は人工光の色温度を再現するものです。ここでは「タングステンからデイライト」をご覧いただいています。逆もあってそれはアンバーになります。強度のランクで全部で5種あります。
LOMOの現像などで馴染まれている「クロスプロセッシング」です。色合いの狂わせ方の関係で全19種類あります。
次は「コントラストオンリー」です。ただコントラストを強めるだけですが結構気持ちの良い画になります。「コントラストカラーレンジ」も同じ傾向で色のコントラストを上げます。
ライティングを再現する「サンライト」です。当てる光の温度も調整できます。
「白黒コンバージョン」はモノクロに変えるだけです。とはいってもこれは見栄えの良いものにするのは結構難しいと思うので、こういうエフェクトは必要かもしれません。「スカイライトフィルタ」を追加するエフェクトも続きますが、カットします。
「ソラリゼーション」です。カラー、モノそれぞれ6種類あります。
中心と周辺の明るさを変える「ダーク/ライトセンター」です。これは一番極端に調整したものです。真ん中が白くなっています。
暗いコントラストを強めた硬質な「ダークコントラスト」です。
「ダイナミックスキンソフナー」は人の肌を奇麗に見せるものです。僅かにソフト描写になります。カットします。
「ディテール強調」です。絵画のようになります。
「デュプレックス」は画面全体に色を被せるものですが、少し柔らかく溶け込んだ感じになるようです。これもカットします。
「トーナルコントラスト」です。コントラストを強調するものは多いようですが、これもその1つです。
「トーンカーブ」は一本のラインを曲げてトーンを調整します。かなり繊細に追い込めるのですが、それだけに結構難しいものです。「バイカラーフィルタ」「バイカラーユーザーディファインド」は上下に分けて虹のような色を入れるものです。フィルタから選べるものと自分でカラーを調整できるものの2種です。
露出オーバーにする「ハイキー」です。実際の撮影で露出を調整してこんな画にするのは難しいので、これはソフトの方が軍配が上がりそうです。しかし多くの場合は恣意的なこういうフィルタよりも天然の方が良いだろうと思います。
「パステル」です。3種から色合いを選べます。
「フィルム粒状感」です。この例では最大限に荒れさせました。変にデフォルメした感じがないのでナチュラルで良いと思います。
「フィルム効果:ヴィンデージ」です。なかなか良い雰囲気です。
「フィルム効果:褪色」です。
「フィルム効果:ノスタルジック」です。
「フィルム効果:モダン」です。これはフィルムのプリセットが33種類入っています。フジとコダックで、1つだけアグファが入っています。これはアグファで仕上げてみました。
「フォーリッジ」です。森のような効果という意味だと思います。少し健康的な雰囲気になります。色合いで3種から選べます。
霧膜型の再現「フォグ」です。結婚式用のエフェクトでしょうか。
「フォトスタイライザ」です。これは結構普通ですが、他にもセピアやブルーなどもあって全部で18種あります。似たような別のフィルタとの違いは色の分離、溶け込み方のようです。これはナチュラル系です。
「ブリーチバイパス」です。
「ブリリアンス/ウォームス」は暖かみを加えるもののようですが、セピアになっていくだけのような気がします。匙加減を抑えて効果を目立たなくした方が良さそうです。これはカットします。「プロコントラスト」はかなり自然にコントラストを高められます。あまりに自然なのでカットします。
「ペーパートナー」です。コピー機に使う粉インクの質感を再現したものと思います。カラーが幾つか選べます。
「ポラロイド転写」です。
「ホワイトニュートラライザ」は白をはっきりさせるものです。カットします。
「マンデーモーニング」です。休日の雰囲気を出そうという趣旨と思いますが、この画では感じられません。
「ミッドナイト」です。
「リフレクタ」です。これはよくわかりません。
「ローキー」です。
これで全部見終わりました。全体を確認するだけでたいへんなので、使いこなすのはもっとたいへんです。複数の写真を処理する場合、いろんなエフェクトを使うと統一感がなくなるので、たいていは1つのみに絞り、或いは自作もできますので、独自に作ったレシピによるエフェクトを掛けることもできます。