続いて、独ミュンヘン・シャハト Schachtが製造したトラベナー Travenarという50mm f2.8標準レンズですが、これが50cmまで寄れますのでマクロで使ってみたいと思います。本メーカーは非常に艶やかな発色が特徴で、同じミュンヘンのキルフィット社のものと同じような傾向です。このようなレンズ、しかもマクロとなるとカメラが持ち込める博物館での撮影ではファーストチョイスになり得ます。なぜなら、博物館というのは、展示品をガラスで守っているので撮影しますと色褪せる傾向があるからです。周囲は暗く、色彩が出にくいということもありますので、こういう難しい環境で色彩が補填できるのか、試しに使ってみます。場所は北京・魯迅博物館です。
ピントの合焦したところは以外とキレがあるように思います。これはガラスから少し距離を置いた50cm地点での撮影ですが、それにしては結構しっかりと写っています。
同じような条件ですが発色はどうでしょうか。現物をご覧になっておられませんからわかりにくいと思いますが、置いてある1つ1つの物の色合いははっきり出ているのはわかると思います。
ボケが柔らかくて良い感じです。この画ではわかりませんが、遠景を収めた近いものを撮ると、遠くのボケは騒がしいチリチリした感じになります。
魯迅直筆の文書です。複写に使っても素晴らしい描写が得られそうです。このレンズはテッサー型ですし、生産地が同じキルフィットのマクロキラーと同じ感覚で使えると思います。