アストロ・ベルリン Astro Berlinのレンズの中でキノ・カラーというシリーズのプロジェクターレンズがあります。フランジバックが短いのでマクロでしか撮影できません。余っていたヘリコイドを消化する形で使ってみますと1.5~30cmぐらいの範囲しか撮れません。フランジバックが短いカメラボディを採用すれば無限まで出ると思いますが、とりあえずマクロのままで使ってみたいと思います。今回撮影しましたのはキノ・カラー Kino-Color IV 50mm f1.4です。
中国伝統の絹織物で作られたマウスパッドです。この上にレンズを置いて幾分下に向ける形で撮影してみました。最短距離ですので被写界深度がほとんどありません。目測で撮らないといけませんし、これでは撮影は難しいので最長30cmぐらいで撮っていくことにします。
このようなレンズの使い方を考えると例えばこのように中国茶壺の泥を写すという用途が考えられます。茶壺は泥が命ですので、これをアップで撮影するケースがあり得ます。
木の棹です。木目をもっと明瞭に撮りたいのですが、これでは実用的ではありません。補修があるものも撮りましたがはっきりしていません。
焦点はボケているわけではないようにも思いますが、ボケているのでしょうね。
描写についてはどうでしょうか。記録写真を撮るには使えないような気がします。やはり絞りがなくて被写界深度をコントロールできなければ難しいと思います。もっともプロジェクター用レンズで鮮明な写真を求めるということはないので、記録という発想は始めからありませんが、マクロは記録的要素は多かれ少なかれありますのでこのレンズを活かそうとする場合は幾分特殊な用途になりそうです。この柔らかさを活かせる対象を見つけた時には良いパートナーになりそうです。