無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




シンプルで多様性のあるシュナイダーのリスト

シュナイダーレンズの分類と年代対応表 - 2012.07.09


 シュナイダーは第一次世界大戦頃に創業しましたので、民生用は大判用のバレルレンズから生産を始め、それらはレクチリニア型かダゴール型でした。その後レンズ構成の幅を広げ、20年代半ば頃から小型カメラへ、一部はライカへもレンズを供給していました。同じ名称、レンズ構成でも後に改良、供給するメーカー毎に変更などあり、描写はかなりバリエーションがあります。尚、以下の説明で「小型カメラ」は中判以下のフォーマットのカメラを指します。基本的に大判用は省いて、戦前と戦後に分けてリストします。


戦前

Xenar f3.5 小型カメラ用は1926年以降Type D、1935年以降新型としてテッサー型へ変更。さらにf2.9で5枚構成もあった模様 Xenar Type D f3.5 小型カメラに採用されたレンズでポートレート用にトリプレットと、さらにアンチプラネット Antiplanet型(前群が貼合)が混在。 Xenar Type D アンチプラネット型のレンズ構成図 Xenar type D アンチプラネット型のレンズ構成図


Aero-Xenar Fairchild K8に250, 300, 500mmの3種,f4.5を供給。ヘリアー型 Aero-Xenarのレンズ構成図 Aero-Xenarのレンズ構成図


S-Xenar 1936年に発売されたf2.8の5枚型トリプレット
(独特許 DE581472、英特許 GB476348 GB476349、米特許 US2076686 US2105799 US2106077) S-Xenarのレンズ構成図 S-Xenarのレンズ構成図


Tele-Xenar テレフォト型 Tele-Xenarのレンズ構成図1 Tele-Xenarのレンズ構成図1

Tele-Xenarのレンズ構成図2 Tele-Xenarのレンズ構成図2


Xenon 1926年、シネ用としてf1.8からスタート。ダブルガウス型(独特許 DE439556、米特許 US2106077)。その後、1930年にf2で小型カメラ用として販売 Xenonのレンズ構成図 Xenonのレンズ構成図


f1.3 変形ダブルガウス型。これを改良する形でライカにf1.5を供給。25mmのみが存在する8枚構成のものもある(独特許 DE565566) 大口径Xenonのレンズ構成図 大口径Xenonのレンズ構成図


f2.8 コダック Kodak レチナ Retinaに供給された50mm Xenonは、エキザクタ ExaktaマウントのS-Xenarと同じ構成に見える。 Radionar トリプレット型、20年代から存在。(独特許 DE501068 GB438671 US1987878) 戦前Radionar f4.5のレンズ構成図 Radionar f4.5のレンズ構成図

戦前Radionar f6.3のレンズ構成図 Radionar f6.3のレンズ構成図


Kinoplan トリプレット型、38年に発売されたシネ用 Kinoplanのレンズ構成図 Kinoplanのレンズ構成図


Angulon ダゴール型(独特許 DE579788) Angulonのレンズ構成図 Angulonのレンズ構成図


OrthoAngulon プラズマートやプロターを折衷した構成 OrthoAngulonのレンズ構成図 OrthoAngulonのレンズ構成図

Isogon ダイアーリト型広角
Jakonar 135mm f4.5が見つかっておりレンズ構成は不明

 クセノン Xenonは20年代当時これぐらいの明るさのものはキノ・プラズマート Kino Plasmat f1.5、エルノスター Ernostar f1.8ぐらいしかありませんでした。これより明るいものはツァイス Zeiss ビオター Biotar f1.4まで待たねばなりませんでした。


戦後

Xenar f3.5 50,75,105,135,150,180,210,240mm 75mmはローライ Rolleiの2眼レフとアルパに採用
    f2.8 38,45,50,75,80,105mm 38mmはRoBoT Royalに採用 Xenarのレンズ構成図 Xenarのレンズ構成図


Tele-Xenar f3.5 90,135mm 90mmはアルパに採用、135mmはバリエーション多数有り(米特許US2906173) Tele-Xenar 90mm f3.5のレンズ構成図 Tele-Xenar 90mm f3.5のレンズ構成図

Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図1 Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図1

Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図2 Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図2 ALPAに採用された1種

Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図3 Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図3

Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図4 Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図4 ALPAに採用された1種
f3.8 75,100mm
f4.5 150,180,240mm
f5.5 150,180,200,240,270,300,360,500mm

Tele-Xenar f5.5のレンズ構成図 Tele-Xenar f5.5のレンズ構成図
f8.0 1000mm
f10 1000mm


Xenagon f3.5 30mm Xenagonのレンズ構成図 Xenagonのレンズ構成図


Xenoplan f1.9 シネ用 Xenoplanのレンズ構成図 Xenoplanのレンズ構成図


Xenon f1.5 ライカ用を引き継いだものと思われ、映画用は6枚構成
f1.9 40,50mm 傘下のイスコ Iscoブランドへも供給され、ウェストマット Westromat、ウェストカラー Westrocolorとして販売 Xenon f1.9のレンズ構成図 (59年) Xenon f1.9のレンズ構成図 (59年)

Xenon f1.9のレンズ構成図 (66年) Xenon f1.9のレンズ構成図 (66年)

f2.0 50,80,125mm 傘下のイスコ Iscoブランドへも供給され、ウェスタゴン Westagonとして販売
Xenon f2.0のレンズ構成図 Xenon f2.0のレンズ構成図

f2.8 50mm f2.0を小型化したもの
Xenon f2.8のレンズ構成図 Xenon f2.8のレンズ構成図


Xenotar ビオメター型 主に中判用 Xenotarのレンズ構成図1 Xenotarのレンズ構成図1

Xenotarのレンズ構成図2 Xenotarのレンズ構成図2


Xenogon f2.8 35mm 広角ガウス型 同じ35mm f2.8のXenagonはミスプリントと思われる Xenogonのレンズ構成図 Xenogonのレンズ構成図


Cine-Xenon f2.0 シネ用 Cine-Xenonのレンズ構成図 Cine-Xenonのレンズ構成図


Curtagon レトロフォーカス型 Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(前期型) Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(前期型)

Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(後期型) Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(後期型)

Curtagon 35mm f4.0のレンズ構成図 Curtagon 35mm f4.0のレンズ構成図 (前玉が貼合になっているかどうか不明) アオリ付きのPA CurtagonはALPAに採用

Curtagon 28mm f4.0のレンズ構成図 Curtagon 28mm f4.0のレンズ構成図


Radionar トリプレット型
f4.5 50mm(24x36mm),75mm(60x60mm),105mm(60x90mm),135mm(90x120mm)
f3.5 38mm(24x24mm),50mm(24x36mm),80mm(60x60mm),105mm(60x90mm)
Radionar f3.5のレンズ構成図 Radionar f3.5のレンズ構成図
f2.9/2.8 50mm(24x36mm),80mm(60x60mm)


Reomar トリプレット型 ローデンシュトックと共同開発か? どちらのメーカー製も見受けられる
Isogon f4.5 40mm
Isogonのレンズ構成図 Isogonのレンズ構成図


Super-Angulon Super-Angulonのレンズ構成図 Super-Angulonのレンズ構成図


Variogon ズーム
 シュナイダーの主なレパートリーは、クセナー Xenar(テッサー型)と、クセノン Xenon(ダブルガウス型)です。何十年もの長きに亘って製造されたものですので時代によって描写が異なりますが、それ以外の要因として供給先メーカー毎にカスタマイズしたものを提供するなど柔軟性のある方針だったことで、一口にクセナー、クセノンと言ってもかなり異なります。M42など汎用性のあるマウントのものはシュナイダー社のみの考えが反映されたものと思われますが、コダックやローライなど一社のみに供給したものは違った個性があります。それでもシュナイダー社の基本的な個性はいずれのレンズからも感じられます。


シリアルナンバー
1919.12 30,000
1920.5 40,000
1922.1 50,000
1925.1 100,000
1928.6 200,000
1929.2 300,000
1931.4 400,000
1932.6 500,000
1933.8 600,000
1934.10 700,000
1935.9 800,000
1936.9 900,000
1936.11 1,000,000
1937.12 1,200,000
1938.11 1,400,000
1939.9 1,600,000
1942.6 1,800,000
1948.9 2,000,000
1949.7 2,200,000
1950.10 2,400,000
1951.5 2,600,000
1951.11 2,800,000
1952.5 3,000,000
1954.10 4,000,000
1957.2 5,000,000
1959.5 6,000,000
1961.2 7,000,000
1963.3 8,000,000
1964.2 8,500,000
1965.2 9,000,000
1965.9 9,500,000
1967.1 10,000,000
1967.10 10,500,000
1968.11 11,000,000
1970.7 11,500,000
1972.9 12,000,000
1974.3 12,500,000
1976.12 13,000,000
1977.9 13,200,000
1978.10 13,400,000
1979.10 13,600,000
1981.1 13,800,000
1983.10 14,000,000
1985.1 14,100,000
1986.8 14,200,000
1988.11 14,300,000
1991.1 14,400,000
1992.2 14,460,000
1993.1 14,480,000
1993.11 14,500,000
1994.1 14,510,000
1994.5 14,520,000
1995.1 14,540,000
1995.4 14,560,000
1996.1 14,590,000
1996.4 14,600,000
1996.11 14,620,000
1997.1 14,623,340
1998.1 14,651,520
1999.1 14,690,300
2000.1 14,726,600
2001.1 14,756,400
2002.1 14,788,450
2003.1 14,820,970
2004.1 14,853,700
2005.1 14,890,800
2008.11 15,000,000

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