シュナイダーは第一次世界大戦頃に創業しましたので、民生用は大判用のバレルレンズから生産を始め、それらはレクチリニア型かダゴール型でした。その後レンズ構成の幅を広げ、20年代半ば頃から小型カメラへ、一部はライカへもレンズを供給していました。同じ名称、レンズ構成でも後に改良、供給するメーカー毎に変更などあり、描写はかなりバリエーションがあります。尚、以下の説明で「小型カメラ」は中判以下のフォーマットのカメラを指します。基本的に大判用は省いて、戦前と戦後に分けてリストします。
Xenar f3.5 小型カメラ用は1926年以降Type D、1935年以降新型としてテッサー型へ変更。さらにf2.9で5枚構成もあった模様
Xenar Type D f3.5 小型カメラに採用されたレンズでポートレート用にトリプレットと、さらにアンチプラネット Antiplanet型(前群が貼合)が混在。
Xenar type D アンチプラネット型のレンズ構成図
Aero-Xenar Fairchild K8に250, 300, 500mmの3種,f4.5を供給。ヘリアー型
Aero-Xenarのレンズ構成図
S-Xenar 1936年に発売されたf2.8の5枚型トリプレット
(独特許 DE581472、英特許 GB476348 GB476349、米特許 US2076686 US2105799 US2106077)
S-Xenarのレンズ構成図
Tele-Xenar テレフォト型
Tele-Xenarのレンズ構成図1
Tele-Xenarのレンズ構成図2
Xenon 1926年、シネ用としてf1.8からスタート。ダブルガウス型(独特許 DE439556、米特許 US2106077)。その後、1930年にf2で小型カメラ用として販売
Xenonのレンズ構成図
f1.3 変形ダブルガウス型。これを改良する形でライカにf1.5を供給。25mmのみが存在する8枚構成のものもある(独特許 DE565566)
大口径Xenonのレンズ構成図
f2.8 コダック Kodak レチナ Retinaに供給された50mm Xenonは、エキザクタ ExaktaマウントのS-Xenarと同じ構成に見える。
Radionar トリプレット型、20年代から存在。(独特許 DE501068 GB438671 US1987878)
Radionar f4.5のレンズ構成図
Radionar f6.3のレンズ構成図
Kinoplan トリプレット型、38年に発売されたシネ用
Kinoplanのレンズ構成図
Angulon ダゴール型(独特許 DE579788)
Angulonのレンズ構成図
OrthoAngulon プラズマートやプロターを折衷した構成
OrthoAngulonのレンズ構成図
Isogon ダイアーリト型広角
Jakonar 135mm f4.5が見つかっておりレンズ構成は不明
クセノン Xenonは20年代当時これぐらいの明るさのものはキノ・プラズマート Kino Plasmat f1.5、エルノスター Ernostar f1.8ぐらいしかありませんでした。これより明るいものはツァイス Zeiss ビオター Biotar f1.4まで待たねばなりませんでした。
Xenar f3.5 50,75,105,135,150,180,210,240mm 75mmはローライ Rolleiの2眼レフとアルパに採用
f2.8 38,45,50,75,80,105mm 38mmはRoBoT Royalに採用
Xenarのレンズ構成図
Tele-Xenar f3.5 90,135mm 90mmはアルパに採用、135mmはバリエーション多数有り(米特許US2906173)
Tele-Xenar 90mm f3.5のレンズ構成図
Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図1
Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図2 ALPAに採用された1種
Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図3
Tele-Xenar 135mm f3.5のレンズ構成図4 ALPAに採用された1種
f3.8 75,100mm
f4.5 150,180,240mm
f5.5 150,180,200,240,270,300,360,500mm
Tele-Xenar f5.5のレンズ構成図
f8.0 1000mm
f10 1000mm
Xenagon f3.5 30mm
Xenagonのレンズ構成図
Xenoplan f1.9 シネ用
Xenoplanのレンズ構成図
Xenon f1.5 ライカ用を引き継いだものと思われ、映画用は6枚構成
f1.9 40,50mm 傘下のイスコ Iscoブランドへも供給され、ウェストマット Westromat、ウェストカラー Westrocolorとして販売
Xenon f1.9のレンズ構成図 (59年)
Xenon f1.9のレンズ構成図 (66年)
f2.0 50,80,125mm 傘下のイスコ Iscoブランドへも供給され、ウェスタゴン Westagonとして販売
Xenon f2.0のレンズ構成図
f2.8 50mm f2.0を小型化したもの
Xenon f2.8のレンズ構成図
Xenotar ビオメター型 主に中判用
Xenotarのレンズ構成図1
Xenotarのレンズ構成図2
Xenogon f2.8 35mm 広角ガウス型 同じ35mm f2.8のXenagonはミスプリントと思われる
Xenogonのレンズ構成図
Cine-Xenon f2.0 シネ用
Cine-Xenonのレンズ構成図
Curtagon レトロフォーカス型
Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(前期型)
Curtagon 35mm f2.8のレンズ構成図(後期型)
Curtagon 35mm f4.0のレンズ構成図 (前玉が貼合になっているかどうか不明) アオリ付きのPA CurtagonはALPAに採用
Curtagon 28mm f4.0のレンズ構成図
Radionar トリプレット型
f4.5 50mm(24x36mm),75mm(60x60mm),105mm(60x90mm),135mm(90x120mm)
f3.5 38mm(24x24mm),50mm(24x36mm),80mm(60x60mm),105mm(60x90mm)
Radionar f3.5のレンズ構成図
f2.9/2.8 50mm(24x36mm),80mm(60x60mm)
Reomar トリプレット型 ローデンシュトックと共同開発か? どちらのメーカー製も見受けられる
Isogon f4.5 40mm
Isogonのレンズ構成図
Super-Angulon
Super-Angulonのレンズ構成図
Variogon ズーム
シュナイダーの主なレパートリーは、クセナー Xenar(テッサー型)と、クセノン Xenon(ダブルガウス型)です。何十年もの長きに亘って製造されたものですので時代によって描写が異なりますが、それ以外の要因として供給先メーカー毎にカスタマイズしたものを提供するなど柔軟性のある方針だったことで、一口にクセナー、クセノンと言ってもかなり異なります。M42など汎用性のあるマウントのものはシュナイダー社のみの考えが反映されたものと思われますが、コダックやローライなど一社のみに供給したものは違った個性があります。それでもシュナイダー社の基本的な個性はいずれのレンズからも感じられます。
年 | シリアルナンバー |
---|---|
1919.12 | 30,000 |
1920.5 | 40,000 |
1922.1 | 50,000 |
1925.1 | 100,000 |
1928.6 | 200,000 |
1929.2 | 300,000 |
1931.4 | 400,000 |
1932.6 | 500,000 |
1933.8 | 600,000 |
1934.10 | 700,000 |
1935.9 | 800,000 |
1936.9 | 900,000 |
1936.11 | 1,000,000 |
1937.12 | 1,200,000 |
1938.11 | 1,400,000 |
1939.9 | 1,600,000 |
1942.6 | 1,800,000 |
1948.9 | 2,000,000 |
1949.7 | 2,200,000 |
1950.10 | 2,400,000 |
1951.5 | 2,600,000 |
1951.11 | 2,800,000 |
1952.5 | 3,000,000 |
1954.10 | 4,000,000 |
1957.2 | 5,000,000 |
1959.5 | 6,000,000 |
1961.2 | 7,000,000 |
1963.3 | 8,000,000 |
1964.2 | 8,500,000 |
1965.2 | 9,000,000 |
1965.9 | 9,500,000 |
1967.1 | 10,000,000 |
1967.10 | 10,500,000 |
1968.11 | 11,000,000 |
1970.7 | 11,500,000 |
1972.9 | 12,000,000 |
1974.3 | 12,500,000 |
1976.12 | 13,000,000 |
1977.9 | 13,200,000 |
1978.10 | 13,400,000 |
1979.10 | 13,600,000 |
1981.1 | 13,800,000 |
1983.10 | 14,000,000 |
1985.1 | 14,100,000 |
1986.8 | 14,200,000 |
1988.11 | 14,300,000 |
1991.1 | 14,400,000 |
1992.2 | 14,460,000 |
1993.1 | 14,480,000 |
1993.11 | 14,500,000 |
1994.1 | 14,510,000 |
1994.5 | 14,520,000 |
1995.1 | 14,540,000 |
1995.4 | 14,560,000 |
1996.1 | 14,590,000 |
1996.4 | 14,600,000 |
1996.11 | 14,620,000 |
1997.1 | 14,623,340 |
1998.1 | 14,651,520 |
1999.1 | 14,690,300 |
2000.1 | 14,726,600 |
2001.1 | 14,756,400 |
2002.1 | 14,788,450 |
2003.1 | 14,820,970 |
2004.1 | 14,853,700 |
2005.1 | 14,890,800 |
2008.11 | 15,000,000 |