チェコという国は歴史上、ハプスブルグ家、ナチス、ソ連などの強国に支配されてきた経緯がありますが、それでも一貫して独自の文化を保ち続けました。プラハは常に戦火を免れなかったにも関わらず、今でも美しい旧市街が残っています。このような環境も独自の文化を保つ上で大きな影響があったに違いありません。チェコ独特の文化は、光学会社メオプタ Meopta社の製品にも現れているように思います。
メオプタ社は1933年創業のオプティコテクナ Optikotechna社が前身で、ナチス併合を経て、戦後の共産主義時代に国有化され、メオプタと改名されました。民生用のカメラは戦前から二眼レフがあったようですが、よく知られているものは戦後のオペマ Opemaというレンジファインダーカメラです。ライカ式のカメラですが、マウントやフランジバック、イメージサークルなど多くの仕様に独自のものを採用して互換性がありません。メオプタのレンジファインダー用のレンズはこの理由で、ライカスクリューマウントに使えませんので残念です。
とりあえず、簡単な改造を経て撮影できるようになったものを今から見ていただきます。ガラスは非常に曇っており、少し撮影すると全然駄目だったので山崎光学さんに送りました。しかし前玉は外せなかったようで、後玉だけ奇麗になって戻ってきました。それで確認しますと確かに固着して全く回りません。しばらく油を流して放置しなければなりません。とりあえず、不完全な状態ですが、現状で数点ご覧いただき、後で十分に修復できたものを見ることにします。
北京の郊外の高楼と呼ばれるビルの特徴はこのようなもので、電光掲示板の広告があちこちにあります。ほとんどが子供の家庭教師をやるという広告です。描写はソフトフィルターを使ったようです。
独特の窯を使って石焼き芋を販売しています。後玉が奇麗になったので、文字を読み取るぐらいはできるようになりました。
ソフトレンズと思えば使えますが、せっかくチェコのレンズを味わいたいという趣旨なのですから、これは何とかしないといけません。しかし東欧レンズの特徴は出ていると思います。