テイラー・ボブソンのウェブサイトにアヴィアー Aviarについての説明があります。
第一次世界大戦で空中偵察、航空写真撮影用レンズはツァイス製が使われていました。敵国の製品だったため英政府が民間から買い上げていました。しかしクックがアヴィアーの設計に成功し、王立写真協会より最高品質との評価を受けました。アヴィアーの技術は1924年に一般のカメラ用レンズに応用され、1962年まで愛用されました。
クックは、設計師のウォーミシャムの名義でアヴィアー型とその派生をかなり多数公開しています。それらはすべて大判中判用なので我々が転用するとなるとガラスが薄くなりすぎて活用できるものではありませんが、英特許 GB537237に掲載の最後の設計、以下のリストでは一番下のもののみ使用可能です。これは1939年末に申請されたものですので、戦前から開発が続けられてきたものと思われます。そしてその後は特許申請が途絶えています。以下に発展の流れを順に示していますが、この経緯を見るに、39年の最後の設計がライカ判カメラに転用されたものの最初ではないかと思います。収差配置は明確に決まっているようで、どれも大きな差はありません。f2.5と指定されていてそれで出図していますが、実際はもう少し暗いです。