オールドレンズを使用した映像撮影後の処理に関する技術関連のページです。
Kinoのオールドレンズ について
映像の撮影法 について
グレーディングでは様々なLook(映像の見た目)に変えられます。我々はクラシックなレンズを選んでいるので、ある目的(つまり想定しているLook)に達するためのパーツとしてそういうレンズを選んでいるかもしれないし、レンズの設計通りのLookで良しとする場合もあります。デジタル処理が増えればそれだけ飽きやすい画になりやすいですが、かといって全く避けることもできないところで、バランスはいろいろあると思います。
撮影は対象によって、おそらく大まかに2種あります。いわゆるシネマティックな映像と、スポーツや自然など精細な画が要求されるものです。クラシックレンズはどちらかに特化している傾向で、そのため調整はそれほど必要ないということが多いです。ナチュラルで良しというのが名玉です。現代のレンズは何でも撮れますが、調整が必要です。高度な技術が求められたりします。現代的な感覚でクラシックレンズをグレーディングすることができないケースが多いです。Logで撮影すれば無理やりでもできますが、それもまたオプションとしてアリと思います。
このような状況で、以下のようなグレーディングを提案します。
まず、アプリをインストールします。DaVinci Resolve
DaVinciのノードファイルをダウンロードします。写真右側のツリーです。このファイルを左側の映像の上に載せるだけで反映され、もうこれだけで普通に近いLookになります。グレーアウトしているノードは未使用なのでここでは単に変換しただけです。

映像は何を使っても良いですが、もし撮影していない場合は、上掲の噴水のファイルをダウンロードできます。
強くお勧めするのは、一切説明書を読まずに使うことです。感覚だけで結構です。慣れてきてから高度なことに手を出せば良いと思います。まず、DaVinciを開いて底にある7つのタブが見つかれば、それだけで使用可能です。作業は左から右に流れていきます。左の「メディア」タブで使うファイルを選び、右のロケットマークの「デリバー」タブで書き出します。その間に5つありますが、最初は2,3つしか使いません。説明は不要と言っておきながら失礼ですが、一応簡単に解説します。

右下角の歯車マークを押します。「マスター設定」に入ります。この動画は4Kですが、下げて貰っても構いません。

同じく「カラーマネジメント」に移ります。出力のガンマは映画の配信サイトなどではおそらく2.4で、標準は2.2と思います。意図する表現によって任意に変えることもできます。以前はWinとMacで設定が違っていましたが、最近はアルゴリズムが調整されているのでどちらも同じで大丈夫と思います。ここは2.4がわかりやすいと思ったのですが、普段は2.2が多いです。保存して終了します。

3つ目の「エデット」タブに入ります。ここは多用します。動画を並べ替えたりカットしたり音声を足したりします。その前のタブ2つ目「カット」がありますが、大量にファイルを扱うプロが決まった作業を素早く行うものなので、差し当たっては使わなくて大丈夫です。ファイルを分割する時だけ「カット」に入り、ここにあるハサミマークを使用します。それぐらいかな?と思います。「エデット」に戻りまして、写真右下のタイムラインに噴水の映像をドロップすると映像と音声の帯が出てきて、マスターに「Timeline 1」というファイルが造成されます。「エデット」は感覚で使えるので簡単です。

「エデット」で編集はLogの白けた画像ではやりにくいので先に5番目のタブ「カラー」に行きます。左上の欄にダウンロードしたdrxファイルをドロップします(この欄が出ていなかったら、その上の「ギャラリー」を押します)。無一居アイコンが出ますのでそれを映像の上にドロップすると更に右にノードが展開されます。

ノード01を押します。上の「エフェクト」を押してあれば「カラースペース変換」という表示が出ます。SONYで撮りましたので入力はこのようになっていますが、他の機材ならそれに応じて変更します。出力はDaVinciのカラースペースで作業すると指定しています。

ノード10を押します。入力は01の出力と同じでそのままです。出力はARRIのLog4になっています。

ノード12に入ります。入力はノード10出力に対応しています。出力はRec.709でこのカラースペースはテレビの規格です。現代はほぼこれに統一されています。ガンマは既出の通り2.4です。01,10,12の3つのノードは必ずONになります。

ノード11は、Lutを適用してLookを変更します。使わなくても結構です。ARRIとREDのカラリストが提供した公式のLutがあり、それをここにドロップするだけでLookを変更できますので簡単です。
・ARRI Look Library (3D-LUTs)
リンク先に下の写真の場所があります。LogC4が最新です。87種類の様々なLutがあります。これを左上の「Lut」タブから見えるようにします。エフェクトのようなものと思って貰って結構です。任意のLutをノード11にドロップして適用します。

例えば、3211 Vintageを適用してみました。効果が強過ぎます。下の欄で図のように「キー」を選択しますと、キー出力、そこにゲインとあります。1.000は100%ですので、これを適宜下げます。

REDはハリウッドで監修したLutが使えます。Lut-to-Lutの方を使います。32種類あります。ノード10,12のカラースペース変換は、どちらもREDの3に変更します。
・RED Creative LUT Kit
映像に意図があれば、それに相応しいLookが求められますが、ある程度整ったもので近づけてから微調整する方が簡単なので、既成のlutを使うのは合理的です。有料無料いろいろありますが、プロ機材で大きなシェアを占めているARRIがプロ向けに配布しているものは基準になると思います。
ここでは映像は、噴水1つしかありませんが、通常はもっと多くあります。基準になりそうな映像を1つ選んでそれでグレーディングします。決まったら映像の上で右クリックし「スチルを保存」します。「ギャラリー」を開くと出ますので、それを他の映像にもドロップしますと、同じものが適用されます。その時、ノード02は個別の映像に対して微調整に使います。
ノード03で露出を調整します。スコープを見ますとまだ明暗が出ていません。3色スコープの横幅は画像の横幅と同じで縦割りで色成分がどれぐらい含まれているかを示しています。高さは明暗です。

カラーホイールは、左から低域、中域、広域、全体です。広げるので全体は使わず、他で調整します。黒いダイヤルを横にスライドします。あまり拡げると、動画なので容易にクリップしますので少し内側にします。

ノード05はコントラストです。カーブを使い、わかりやすいように極端にしました。通常はかなり控えめに使います。

ノード07はホワイトバランスです。ベクトルスコープに切り替え「オフセット」の中心点を移動させて調整します。10時半の方向に線が出ています。これは「スキントーンインジケーター」をONにすると出現します。オレンジ方向で人間の肌の色です。ここに沿わせると肌が整います。逆方向がテール色です。この例の場合は両方を強く含んでいることがわかります。バランスを調整します。正解はありません。

ノード08はサチュレーションです。黒スライダーを動かしても彩度しか変わらないようにしてあります。仮にスコープの色彩を平均に均してみました。モノクロに近くなりました。

この中で常用するのは「露光量」ぐらいです。Logで撮影する場合、色温度は5500K固定がデフォルトと思いますので、あらゆる状況でそのまま撮影し続けるとホワイトバランスが狂います。そのため状況によっては「色均衡」も多用します。
ノード04は霜枝U2。ノード06は霜枝U1。ノード09は霜枝U3を適用しますので、不要の場合はデリートキーで消去します。アルゴリズムが違うので若干の効果の違いはありますが、大きな相違点は、霜枝は情報を極力失わないことを重視していることです。その代償として調整幅は広くありませんのでDaVinciのスライダーと併用します。細部に拘らなければ不要です。
キノ・プラズマートのようなクセ玉では、基本的に露出の調整ぐらいしかしません。個性が強いので完成したような画になっています。逆に、完全無収差の玉も非常にやりにくいです。硬い描写で決まっている感があります。そのため、扱いやすい映像レンズというのは難しいものがあります。
音は意外なほど力を持っています。効果音はかなり重要です。そして音楽は映像編集で一番難しいセクションです。作曲できる場合は1つ目の動画では自分で作りたくなります。しかし映像を量産するためには既存の演奏を使うことも必要だと気が付くようになります。YouTubeアカウント内にフリーで使える音源が多数提供されています。有料無料様々な音源提供サイトがあります。テレビ局など業務で使われているのはArtListです。年2万円ぐらいの費用が必要です。小店で撮影しました無一居 Nr.018 高輪駅プロジェクションマッピング Leitz Summaron 35mm f3.5は、その場で流されている音楽を収録しただけですが、ArtListよりYouTubeを通して5件の著作権の権利に関する通知がありました(映像が収益化された場合、ArtListに収益が分配される)。それぐらい使われています。全て違う作曲家で全てArtListからでした。収益を放棄さえすればほとんどの音楽が使用可能と思います。このような特殊な例外を除いて小店が使用している音楽は自作の作品か、パブリックドメインです。
