19世紀末ツァイスの過渡期の設計です。この時代の高性能レンズです。現代の基準からは産業用としては劣るし、スチール撮影には硬過ぎるので、中途半端の感があるのですが、それは当時でも同じだったようで、おそらくツァイスは製造していません。フランスのクラウスにライセンス提供にて、4枚玉で製造しています。これを現代に復刻するとすれば、マウンテン・エルマーのような使い方しかないと思います。性能良し、小型、味もありますが、暗いので必要性がそれほどないかもしれません。しかしこれはパウル・ルドルフ Paul Rudolphの設計ですから価値があるとすればその点のみでしょう。
ウナー Unarの特許 (英特許 GB24089) にはまず設計の説明があり、続いて3つのデータが載っています。
f5.6です。この4枚玉が実際に作られていたものと思います。
貼り合わせて同じくf5.6です。
さらに改良を進め、f4.0になりました。テッサーの方が明るい、枚数も少ないということで淘汰されたものと思います。
戻る