無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




テッサーの親 ウナー Unar
「霜枝」Z13 ?mm f5.6

2015.11.18

 19世紀末ツァイスの過渡期の設計です。この時代の高性能レンズです。現代の基準からは産業用としては劣るし、スチール撮影には硬過ぎるので、中途半端の感があるのですが、それは当時でも同じだったようで、おそらくツァイスは製造していません。フランスのクラウスにライセンス提供にて、4枚玉で製造しています。これを現代に復刻するとすれば、マウンテン・エルマーのような使い方しかないと思います。性能良し、小型、味もありますが、暗いので必要性がそれほどないかもしれません。しかしこれはパウル・ルドルフ Paul Rudolphの設計ですから価値があるとすればその点のみでしょう。

 ウナー Unarの特許 (英特許 GB24089) にはまず設計の説明があり、続いて3つのデータが載っています。

 f5.6です。この4枚玉が実際に作られていたものと思います。
ウナー1 ガラス配置図 ウナー1 縦収差図
 貼り合わせて同じくf5.6です。
ウナー2 ガラス配置図 ウナー2 縦収差図
 さらに改良を進め、f4.0になりました。テッサーの方が明るい、枚数も少ないということで淘汰されたものと思います。
ウナー3 ガラス配置図 ウナー3 縦収差図
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