キノ(映画)にどのレンズ構成を使うのかは難しい問題です。スチールであればガウスが最もバランスが良いようですが、キノでも同じなのかもしれず、英クックでは31年にスピード・パンクロでガウスを採用しています。しかしその前の29年にはペッツバール型でキノに設計しています (英特許 GB329144)。これはおそらく販売されていません。スチールでも使えるとありますが、特にキノと書かれています。このレンズ構成を見て俄にペッツバールとは思われませんが、特許にそう説明されています。収差配置はゾマーのペッツバールに似ています。色収差は反転しています。口径はf1.8で指定されています。画角はおそらく36度が限界と思われ、焦点距離は62mmになります。収差図は以下全て焦点距離50mmで出しています。プラズマートのペッツバール型という感じのものです。ガウスでこの収差配置は採用していないので、クックとしてはガウスでは合わないという考えだったものと思われます。