エルノスター Ernostarの発明はルートヴィッヒ・ヤコブ・ベルテレ Ludwig Jakob Berteleというユダヤ人によってもたらされましたが、戦前にf2を切ってスナップ撮影を可能にしたのは革命的でした。ベルテレは単に一定の成果を収めるだけでは満足せず、このタイプを深めるために試行錯誤を続けたことは申請された特許の数が示しています。
まず最初の2つは (独特許 DE401274、DE401275) 番号が連番なので同時に取得されたものであることがわかります。以下すべて50mmに合わせます。この2つはイメージサークルが狭くせいぜい28度、f値は2.0です。
大きな違いは、1つ目のデータで、色収差が反転していることです。赤の方が波長が長いので普通はプラス側に位置し、紫は波長が短いのでマイナス側になります。それが逆になっているということです。光の捉え方に工夫を加えようという意図を感じます。
次は貼り合わせを剥がした2つの設計が載せられたものです (独特許 DE428657)。球面収差の活用法で2種類提示されています。
色々試しては最初に戻った感がありますが、今度は色収差が反転していません。画角も44度で出していますが、もう少し狭めた方が良さそうです。 (独特許 DE435762)。
f1.0の巨大なレンズです。焦点距離50mmで、ガラスの直径が50mm超えます。画角は36度です。望遠ですからかなりの巨砲となります (独特許 DE441594)。
f2.0に戻して、画角は32度、ガラスを減らしてシンプルにしています (独特許 DE458499)。
2種記載があり、1つ目はf1.6、2つ目はf2.0です。1つ目は画角40度で出していますが、2つ目はそんなに大きくはない、36度です (独特許 DE530843)。
最後も2種の記載、f2.0とf2.8です。画角を増していこうと思えば、ゾナー型になっていくようです (独特許 DE570983)。
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