ウルトラスチグマットはテッサーからエルノスターへの過程
シカゴのチャールズ・マイナー Charles Minorが発明した新型の4枚玉が開発されたのが1916年(米特許 US1360667)、そしてガンドラック Gundlachがそれを基に商品化したのがウルトラスチグマット Ultrastigmatでした。そしてこれが後にエルノスターとして結実したのではないかとされています。
テッサーから1枚増やしたもののようですが、しかし収差はキノで、テッサーとは全く異なるものなのでテッサーを改良しようとしたものではないのは確かと考えられます。特許では3つの設計がありますが全てf2と指定されていますので、ハリウッド向けを念頭に設計したものであるとも推察されます。にも関わらず、ガンドラックは会社を売却した後、異なる製造販売会社を設立すると、可能であるとの理由からかf1.9に変更しました。ハリウッドはf2超えを認めませんので受け容れなかったと思われます。権利の問題でやむを得なかったのではないかと想定されます。以下は全て焦点距離 50mmです。
特許記載の1つ目の設計は貼り合わせのない4枚玉で、製品化されたのはこれだったようです。米国製造に比較的多い印象ですが、コストを優先したのかもしれません。
2つ目は後群を貼り合わせて画角を65度から80度にしたようですが、65の方、80度の方もいずれもそんなに画角はないように見えます。収差のタイプが変わっていますが、これは製造販売されていないようです。f1.9には届いておらず、f2です。
3つ目は絞りの位置を移動しています。f1.9です。
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