2023.03.29 増上寺の春
人物を撮影する場合に浮き上がるように演出するのはキノの特徴で、焦点を明確に描き過ぎないのも同様です。この対象の場合は人間の皮膚よりも硬い素材なので柔らかさがはっきりわかります。
こういう構図は少し絞った方が良い、開放での撮影は特殊な効果を狙う以外では難しいと思います。
説明の通りにこれが裏門に過ぎず、将軍家が使うようになって御成門と改名したとすれば、なぜ白塗りにしているのでしょうか。当初より将軍家専用の門として設計されたものと考えるのが自然と思われます。それにしても印象深い白です。死を連想させる白です。
逆光でも問題なく撮影できるレンズはよくありませんね。コーティングをしっかり施しているということですから。逆光に強く、フレアも抑えられるかもしれませんが、その代償が大きいのではないかと思います。そもそも逆光は逆光としてしっかり映るべきと思います。
驚くほど冴えない映像です。とても天気が良く、それに対して大きな日陰がある構図ではその対照によって露出が定まらず、全く潰れます。
焦点がかなり手前で奥に大きく突き放しているこのような画ではグルグルボケが出ますが、それほど顕著ではありません。あまり強く出ると扱いが難しくなりますのでバランスを考えるとこれぐらいなのだと思います。効果が強い方が魅力あるのは確かですが、プロの手堅い仕事のためのものであれば、抑えたいということなのだと思います。
観光に行けば必ず撮るであろう極めて一般的な構図です。絞ってf5.6、もはや携帯で撮影したのと変わらない平凡な映像です。そのため風景用のレンズというのも価値があります。精細に映るのですがなぜか味があるという、そういうものも良いものです。絞ってしまっては何もありません。絞りまくる有名な風景写真家もいますが、それはそれで意図に適っていれば良いのでしょう。その場合、このような構図では撮影しません。もっと奥行きが出せる雄大な構図を選択します。
これも明暗が強過ぎていけません。快晴はとにかく撮影しにくいものです。
これも「彼方が立てば此方が立たず」的な画です。そこで中間バランスではなく、暗い部分が明確になるように露出を変えました。このように潰れても意図によっては使える画になるかもしれません。
木材と瓦の黒、壁の白、銅の青、塗装の朱色が実に調和しています。加えて自然の緑や様々な色とも溶け込んでいます。
光があまり強くなければ繊細な画になります。これはどのようなレンズでも基本的には同じです。
しかし光が強いと白がグロテスクに出てしまいます。これは球面収差が直立のものをデジタルで撮影すると出る傾向ですが、多かれ少なかれどのレンズでも発生する現象です。そのためUVフィルターを常用する人もいるようです。ですが、これは活かし方次第でもあります。写真ではわかりませんが、とにかく強い日差しが石に当たって肉眼でもキツいぐらいの状況でした。撮れないであろうところを強引に撮影したものですが、それにしては割と落ち着いているとは思います。
木陰に入れば落ち着いた感じになります。
これは開放で撮ってしまったかもしれません。以降はマクロで花の撮影です。
マクロではこれよりもっと良い玉があるでしょう。ですが、これも悪くありません。中庸ではあるが、必要なものはあるという感じです。