2023.11.13 紀尾井町
道を歩いていたら、こんな建物を発見しました。詳細は家に帰ってからネットで見ればわかるだろうということで撮影だけしました。李氏朝鮮王族の最後の邸宅らしく、現在はプリンスホテル併設の結婚式場のようです。普段はフランス料理店のようです。前の道路も「プリンス通り」ということも後で判明しました。
昭和の建築です。しかしこのデザインであれば外人を起用していたであろうと考えられるので、一律に昭和とのイメージで捉えることはできません。素晴らしい建築で現代でも丁寧に使用されているのは良いことだと思います。
大正から昭和初期あたりが、こういう芸術面で一番良い時代だったのかなと感じられます。現代ではコストの問題で難しいし、センスも変わってしまっています。
そのまま先に進みましてホールに到着します。ベルリン在住のコントラバス奏者・高橋徹さんに呼んでいただいてのコンサートです。撮影して伊達の写真家・青柳陽一先生に全部zipで送ると、「ファイルが重すぎる」「80枚も送付はNG」などと言いながらも、青柳セレクトで選別していただきました。
もう一回メールが来て、「選らんだ貴兄の写真見て居たら、流石レンズ設計者らしく、撮る被写体が私とは大違いだが、面白い視点だ。見方や、レンズにより、これ程違うのかと人夫々だね。でも、先に送られて来たのは、開けたら重過ぎで普通の方のPCなら、動かなる程の重さだった。私だから、良かった。」
ということで、青柳セレクトのお写真16枚をまずご覧ください。
それでは、選外は以下です。あまり良いものは残っておりません。
会場はなかなか決まらず、ギリギリになってしまったのでパンフレットは1枚のみでした。これを通読して入場します。
結婚式場でも使われるようなので案内もラグジュアリーです。
こういう画を撮るから「レンズ設計者」と言われてしまうのでしょう。そうでないと撮らないと思います。難しい光の状態でテストということです。アルバム制作の場合はこういうパーツも脇役として必要なので念のため撮りますが、今回はそういう目的もないので意味がありません。
終わったら酒一杯があります。
ホールは物が限られているシンプルな空間なので電灯のプレゼンスは大きい。落ち着いた電灯は良いものです。
演奏中はシャッター音があるので撮影していません。青柳先生からは「撮れ」と言われましたが。この辺がプロとアマの違いでしょうね。つまり、我々が撮るとクレームをつけられる可能性がある。青柳先生ではそれはない。見た目に許される感がある。これぐらい緩さがないとグラビアは撮れないのでしょう。それは結構大変かなと思います。今回はあらかじめ話していたので撮りましたが、普通はカメラも持っていない、そうすると主催側から現場で「どうして?」と言われることが多い。前から写真家でもレンズ設計者でもないと言っている筈なのですが。これを言うとグレているか捻くれていると思われてしまう。とにかく撮らないので疑問を抱かれているわけですが、全体のコンセンサスがないとこういうところでは撮りませんね、普通は。依頼がなければ尚更で、リスクしかありませんのでね。皆さんも同じでしょう。プロは人間力でこういう障害を超えているのですよ。写真を撮らない人は意外とこういうことは分かりませんね。
高橋さんはプロとアマの違いには詳しいでしょう。
この背景のボケ方がスピード・パンクロ特有で、それは収差の複合であるということを理解せねばなりません。
これを見て青柳先生「私は撮らないね」。いや、嘘だろうと、マクロで花撮影がメインなのです。「私の方が上手い」というならわかるのですが。
これで終わりのようです。
後日、青柳先生からのお言葉:
撮った写真が良いか、悪いか、兎も角レンズ設計者無一居が撮った、紀尾井町サロンと徹Berlin、演奏会の模様とETC。演奏会前の、緘黙かんもく静寂しじまの世界をスナップ風に撮る、作品異次元。
演奏会は、シャッター音出るからと、殆ど撮って居ないが、私が眼もくれない様な、ところを撮って居るのに、仰天した。
レンズの眼も、結局は作者の眼、私には撮れない、撮らない被写体が、「なる程、こんな風にか」と、モノの観方に驚愕。これ等作品、良否は別としても、一考一見に値する筈。