無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

ペッツバールのもう一つの設計
オルソスコープ「古柳」R1

2014.04.23

世界で始めて設計された風景用レンズ

 幾何学計算を用いて世界で初めてレンズを設計したのがペッツバールであることについては、すでに別項で多くを語っているのでここでは触れません。一般に「ペッツバール」というと肖像用レンズですが、それは彼が設計を完了した後にすぐ売り出されたのが肖像用だったからで、その時にもう一つ、風景用のものも設計していました。これはだいぶん経ってから販売されましたが、何事も"最初の発明"というのは優れているものが多いし、ペッツバール肖像用もそうだったので、風景用があるならそれにも興味がそそられます。どんなものか、一応確認しておきたいと思います。

 データは、エミール・トラオレ Emile Turriere著 Optique Industrielle No.77とロアー Rohr著 Theorie und Geschichte des Photographischen Objektivs 250頁に載せられており、どちらも同じものです。

オルソスコープの設計値
オルソスコープの光学図
 焦点距離は100mm(99.1mm)、口径はf8.1です。

オルソスコープの収差図
オルソスコープの収差値
 どうなんでしょうね。あまり魅力的な描写にはならないような気がします。ところがこれが当時はかなり人気が出て売れたようです。売り出しはペッツバール自身だったようですが、この成功を見て設計を受取っていたことを思い出したフォクトレンダーも売り出し、一時期結構出たらしいですが、よく見ると歪曲が多いという理由で素早く消えていったとキングスレークの本に書いてあります。出た時と同じ速さで消えていったと書いてあります。収差配置を見ても正直感心はしないですね。

 とりあえず、確認しておかないと気になりますので、ここで確認を終え、復刻はしないことにします。

オルソスコープの復刻が不要な理由

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