無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業




大陸キノの最高傑作 キノ・プラズマート Kino Plasmat
「院落」P2 50mm f1.5

2023.05.05

品格ある"マシュマロ・フェード"を堪能する

 キノ・プラズマート Kino Plasmatは、f2のデータが残されています(独特許 DE401630)。これはプロ仕様でつまり映画撮影用、一方スチール撮影に対してはf1.5が設計されていました。写真レンズが設計できなかったエルンスト・ライツ社は、ドクター・ルドルフに援助を求めたようで、最初期のライカ試作品にはこのf1.5、さらにキノ・テッサーが装着されていたと言われています。しかしライカに最初からキノ(映画)用レンズでは難しいと思われ、マックス・ベレクがキノ・テッサーを改良したエルマーを設計したようです。

 ライカの儚い描写の原点はどこにあったのか? それはキノ・プラズマートだったようで、ベレクの設計を解説する本にもプラズマート f2が詳しく解説されています。

 キノ・プラズマートは光学設計が時代によって変遷しているのですが、最初期型をトレース致しました。使用ガラス、収差など既に明らかになっており、コンピューター上では確認できております。50mmはラージフォーマットでは使えません。

Kino Plasmat f1.5分解図1
 レンズの生産数が多い方が単価が下がるということで、これまで余分に作っていましたが、本レンズに関しては予約、お支払い済み分のみ生産します。プラズマートは50mm f2を製造してそれほど経っていませんが、これは40本生産で製造直後は20ぐらい販売、以降一年半かけて5本販売しました。残数のカウンターを設置していたので15を切るとパニック買いで2週間ぐらいで売り切れました。何故か苦情もあったりしたので、それ以降カウンターを表示しないことにしました。本当の意味での必要な供給量は25ぐらいだったのではないかと思っています。ですから今後は必要な数量を生産してそれで終わりにした方が良いと思っています。また小店は消費税を払っていないので売り上げに上限があります。一定以上は販売しません(年末まで休業となります)。そのため生産は多くても年に一回限りとなる見込みです。そういう意味でも予約分のみに絞った方が良いのではないかと考えています。

院落 P2 50mm f1.5 00,000円
未入金予約数:20

 専用フード付き。フィルター径 49mm。至近距離0.65mm
大口径のため、P1よりかなり大型です。重量は計算値で213gです。


 今後はまず見積もり、そして金額を掲載します。単に予約では、空予約が半分ぐらいになりますので、P1の時と同様、先に全額支払っていただきます。P1は予約個数の倍、余分に製造していましたが、P2は予約個数のみで終了します。また必要があれば追加生産で良いのではないかと思っています。ある程度で予約が止まったら期限を設定〆切とし製造に移ります。 - 2024.06.17

Kino Plasmat f1.5レンズ構成図
 一般に世間で多数出回っているのはf1.5です。下がHugo Meyerのカタログに載っているf1.5の図で、f2とはガラスの形状が少し違うのがわかります。VadeMecumを参照するとf2は映画用しか作られておらずレア、これを写真用に転用した例はLunar Cameraというほとんど木の箱という代物ですが、おそらく最初中判が出てこれにはプラズマート 90mm f2(キノは付きませんがレンズ構成はキノ)、その後ライカ判に変わった時にプラズマート 50mm f2(これもキノ、つまりパテントデータのもの)に変えられたようです。レンズ交換は基本できないと思われ、にもかかわらず標準レンズにキノという、ぶっ飛んだ構想でした(本稿をご覧いただいているようなボケ玉使いのテクニシャンには何ら問題ないかとは思いますが)。尚この頃、ライカはまだ出ていなかった模様です。ライカの試作にはこのf2が付けられた可能性があります。しかしf2のスチールへの転用は量産品ではおそらくルナー・カメラだけです。

Kino Plasmat f1.5広告
Kino Plasmat f1.5分解図2
 前回は50mm f2をf1.9に変えて製造しましたが、それとf1.5のどちらが良いのかは難しいところです。対して75mmに関してはf1.5の方が良いでしょう。

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