無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

品格あるプレゼンスを宿した
フロール「香箋」G5 50mm f1.5

2015.11.22

ベルチオは真実味というより現実感が写る

 フロール Florのデータがあるのであれば、何も考えずに復刻したいと思ったらありました (仏特許 FR804143)。この特許はソン SOM(Societe d'Optique et Mecanique)によって申請されていますが、これは訳すと「レンズ技術協会」といった意味で、さすがにアンジェニューあたりのハッタリ的スペックではなく、f1.5といったらその分はしっかりありました。ベルチオ Berthiotによって製造販売されていたこのレンズは映画用で、というよりベルチオというとほとんど映画用だと思いますが、そのためか収差配置はアンジェニューとは同じ大口径でも少し違っているようです。

フロールの光学図
フロールの縦収差図
 ベルチオの特徴は現実感のある写りだと思います。現実ではなく "現実感" なのですが、現実というと肉眼で見たもので、それとは別に頭の中で空想している現実的映像はいささか曖昧な部分を含むことはあるものの、本人にとっては明晰であるという一種の矛盾を含んでいますが、そういう何とも言われぬ画が撮れると思います。こういう画は映画向きだと思います。さすが映画大国のレンズです。このSOMによる設計は1935年に申請されていますので、トーキー映画全盛期のものになります。

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