無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

ライカ新時代を特徴づけるレンズ
ズミルックス「香箋」G10 35mm f1.4

2015.11.25

このレンズはオールド・ライカの領域から抜け出して前進しようとしていた最初のものかもしれない

 同じ名称、同じ焦点距離のレンズでも構成が変更されることがありますので、それを区別するために、ここで見ていただくズミルックス 35mm f1.4は「第一世代」と言われます(米特許 US2975673)。変更すれば第二、第三世代と重ねていきます。優秀になっていきますので、買い替えていく人もいれば、古い方を愛する人もいました。特定の世代に人気が偏ることもあります。ズミルックス 35mmの場合は第一世代が特に人気があります。開放で撮影すればかなりボケますので扱いにくいですが、それでもそこが愛されています。

ズミルックス 35mmの光学図
ズミルックス 35mmの縦収差図
 絞り開放ではしっかり合焦できそうにありません。かなりのボケ玉であることがわかります。次にf2.0で絞ったのをみておきます。

ズミルックス 35mm f2.0時の光学図
ズミルックス 35mm f2.0時の縦収差図
 f2.0であれば優秀です。ほぼ無収差です。レンズ構成の違いで世代を重ねるのであれば、ライカの歴史全体でも同じような見方をすればどうなるでしょうか。

第一世代 マックス・ベレク Max Berek オールドライカ
第二世代 オットー・ツィンマーマン Otto Zimmermann 過渡期
第三世代 ウォルター・マンドラー Walter Mandler ネオライカ
第四世代 現代

 とこのように考えられます。非常に評価が高いのは第二世代ですが、濃厚な表現を持ったオリジナルライカは第一世代ですし、第三も根強い支持があります。評価は価格に反映されますが、そうであれば第四世代が最も人気があることになります。現代ライカはプロの現場で多用されており、コマーシャルやハリウッドではマストアイテムです。ここで見ていただいたズミルックス 35mmは第三世代初期のものです。ボケ玉である、その味が評価されていますが、そうであれば第一世代のレンズと同じ評価のされ方です。明らかにベレク的なレンズではありませんが、これはオールドライカの1本としての評価だと思います。しかしライカは第二世代以降、戦前の雰囲気から脱却していこうとしていましたので、ライカM3も出したし(1954年)、徐々に変わっていく予感に満ちていました。その変化が見え始めた頃のレンズがこれだと思います。

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