無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

ズミクロンはライカレンズの分水嶺3

ベレクの築いた伝統との関連性 - 2012.07.21


ライツ ズミクロン 50mm f2
Leitz Summicron 50mm f2

 

 それではライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2の描写を確認していきたいと思います。使うのは56年製の接写ズミクロンです。DRズミクロンの接写については近接界というもう一つの世界4で撮影しますので、ここでは1m以上の距離でのスナップを掲載します。もはや何を撮ってもきちんと写るので、オールドレンズを使ってきて、これに代えるとすごく安心感があります。鏡胴の工作も見事でスムーズな操作感です。考えないといけないことが減ります。だけどおもしろみまで無くなることはありません。このレンズ自体はガウス型ではありますが、個性の点でエルマー・ヘクトール系のテッサー型とズマール以降のガウス型の両方を合わせた集大成的な感じがあります。

ライツ Leitz Summar Summitar Summicronの比較
 これはズミクロンが出た当時のパンフレットですが、10年以上前のズマールが掲載されています。これはライカレンズのガウス型の歴史を示すものだろうと思います。こうしてそれをズミタールで改良、この図によると周辺光量の改善があったようですが、そこからさらにズミクロンに至って所謂"空気レンズ"と言われる極小の隙間を設けてさらに性能を改善したことを示しています。これはたいへん製造コストがかかったと言われ、第二世代のズミクロンからこの隙間をなくす変更をしています。ここでは第一世代のものを見ます。やがてズミルックス名でさらに一段明るいものも作られ、しだいに改良が進んでいきましたが、しかしズミルックスを使うと途端に安定感は無くなります。ズミクロンはちょうどバランスがいいようです。ライカレンズの究極の姿はズミクロンにこそ見いだせると言ってもいいかもしれません。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 姉と弟
ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 茶の試飲
ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 伝統的酸梅湯
 近距離から人物を撮ってみます。対象の浮かび上がり方とボケの美しさは申し分ありません。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 新疆羊肉串
 ボケの境界もなだらかで使いやすそうです。煙や湯気をボカして飛ばす方法もありそうです。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 骨董屋
 近距離の物体の浮かび上がり方も人物と同様で問題ありません。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 書画屋
 平坦な対象物ですが、こういうものも奇麗に浮きます。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 大柵欄の古い通り
 f2ですからある程度の明るささえ確保できればきっちり撮れます。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 お爺さんと孫
 かなり暗い場所でシャッター速度はデータを見ると1/17になっていますが、これぐらいになってくると少しブレます。暗くなってくると際立った特徴はなくなってきます。

ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 北京料理屋
ライツ Leitz ズミクロン Summicron 50mm f2 傘屋
 人工光もうまく捉えますが、対象物は周囲に同化する傾向があります。これはこれでいいのですが、昼間とは趣は異なります。

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