無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

Nik Softwareでエフェクトする3

写真を絵画のように楽しむ - 2012.11.27


 モノクロ写真というのは、カラーと比べて色がないだけでしょうか。自分で現像までしたことがないという場合でも、ある程度アナログでモノクロで撮影した経験があれば「全く別物」という印象があると思います。それと比較するとデジタルのモノクロは死んだように感じられます。カラーでもアナログとデジタルは違いますが、違うなりにそれぞれ受け入れて楽しめます。しかしことモノクロとなるとそういうわけにいかず、アナログで味わえる深みをデジタルで楽しむのは難しさを感じます。凄い圧倒的な差が感じられるのです。

 この苦情?はかなり前からあったようで、先頃ライカがモノクロ専用機を出しました。カラーの場合は色の感知のため4つ一組でセンサーを使うけれど、モノクロは必要ないので4倍に性能が上がると、そういうことのようです。これは価格が80万以上なので一般的には関係ない話ですが、皆さん、カラー液晶の付いたノートパソコンを持っておられると思います。これは20年ぐらい前に初めて出た時はこれも80万ぐらいでした。それから数年経って携帯電話も出ましたが、20万ぐらいでした。まずは高くても何でもいいから、とにかく出たということが重要です。

 そしてこのライカのモノクロ専用機ですが、ソフトが2つ付いています。Adobe Lightroomと今から見ていきますSILVER Efex Proです。

SILVER Efex Pro
 これもモノクロからデジタル臭を除くという目的はあると思います。ハードではなくソフトの方面からアプローチしたものです。かなり良くできており、デジタルで撮ったモノクロだけでなく、アナログをデジタル化したものも一回このソフトを通した方が良い感じがします。通すというのは、ソフトに読み込ませて何もせずにそのまま保存するということです。読み込ませた時点でニュートラルな状態に整えますので、簡潔に済ませる場合はこれだけで十分と思うこともある程です。

 プリセットは、露出別に幾つも細かく用意されています。露出は普通であれば、スライダ1つ用意すれば調整できると思いますので、幾つも別に用意されているのは一見不自然ですが、これはおそらくフィルムをデジタル化した場合の問題点を対策するものと思います。デジタルであればすでに露出計が内蔵されており、自動で合わせますので大きく狂うことはありません。しかしモノクロのアナログフィルムは露出の許容範囲が広く、結構狂っても現像で何とかなりますから露出を目測するカメラの場合、適当に撮る事があります。もっとも、露出は正確に合わせるに越した事はありませんし、画もその方が奇麗ですが、撮影のテンポを重視してだいたいで撮っていく人もいるのです。その場合、かなりの誤差で記録されていることがあります。差が大きいのでスライダー1つで解決は難しいようです。

SILVER Efex Pro 初期画面
 露出用以外には特殊効果用のプリセットが幾らかあります。順番に幾つか見ていこうと思いますが、同じ写真では飽きますので、全部変えて見てみたいと思います。

SILVER Efex Pro クールトーン1 元
 モノクロということでフランスのパリから幾つか使ってみたいと思います。レンズはこれまた同じくライカ・ズミタール50mm f2開放です。フィルムはフジ・ネオパン100でフィルムからデジタル変換したものです。以降パリの写真は同じ条件です。

SILVER Efex Pro クールトーン1 完成
 2つある「クールトーン」というプリセットの1つ目のものです。こういう効果はもっと違う対象を撮影して包装紙とか、そういうところで使うものに適用できそうです。

SILVER Efex Pro クールトーン2 元
 今度はエッフェル塔に2つ目のプリセットを適用してみます。

SILVER Efex Pro クールトーン2 完成
 確かに "クール" な仕上がりです。

SILVER Efex Pro ダークセピア 元
SILVER Efex Pro ダークセピア 完成
 「ダークセピア」です。元画像が薄かったので、セピアという感じになりませんが、かといって適性露出の画であれば強くなりすぎます。

SILVER Efex Pro ソフトセピア 元
SILVER Efex Pro ソフトセピア 完成
 その場合はこれ「ソフトセピア」の方が良さそうです。少し色が着く程度です。

SILVER Efex Pro フィルムノワール1 元
SILVER Efex Pro フィルムノワール1 完成
 「フィルムノワール」というのが3つあります。これは1つ目です。かなり荒れた印象になります。

SILVER Efex Pro フィルムノワール2 元
SILVER Efex Pro フィルムノワール2 完成
 2つ目はさらに潰されます。

SILVER Efex Pro フィルムノワール3 元
SILVER Efex Pro フィルムノワール3 完成
 3つ目はもっとです。モノクロのプリセットは、用途がかなり特殊なように思います。一般には使わないでしょうね。カラーとはやはり違うようです。

SILVER Efex Pro 古色1 元
SILVER Efex Pro 古色1 完成
 「古色」というプリセットは2つです。1つ目は効果が強めのように思います。

SILVER Efex Pro 古色2 元
SILVER Efex Pro 古色2 完成
 2つ目ですが、普通のセピアに見えなくはありません。セピアに枠を入れただけかもしれません。

SILVER Efex Pro アンティークプレート1 元
SILVER Efex Pro アンティークプレート1 完成
 「アンティークプレート」というのも2つあり「古色」と同じ方向性のようですが、少し違います。基本はセピアのバリエーションです。

SILVER Efex Pro アンティークプレート2 元
SILVER Efex Pro アンティークプレート2 完成
 周辺が露出不足になります。こういうのを見て、古いレンズがどれも性能が悪いように思う人がいるかもしれませんが、とんでもない話で、昔も今も商品として安価なものから高級品、コピー品などいろいろあったことを示しているに過ぎません。

SILVER Efex Pro ピンホール 元
SILVER Efex Pro ピンホール 完成
 これは「ピンホール」レンズの再現です。針穴写真です。ガラスのレンズではなく、小さな穴です。露出に非常に時間がかかります。昼間外に出て撮影すると三脚を立てて10分とかシャッター開いたまま放置します。動くものはほとんど撮影できません。それを簡単にプリセットで完成させようというものです。

SILVER Efex Pro 花 元画像
 今度はこのカラー写真を使って部分色付けというのをやってみます。レンズはロス エクスプレス 75mm f3.5開放です。

SILVER Efex Pro 花 モノクロ
 ソフトを起動すると表示される写真はモノクロに変わっています。ここで保存すると色情報を失うので、保存せずそのまま続行します。

SILVER Efex Pro 花 色付け
 右に「コントロールポイント」というのがありますので、これをクリックし写真上に任意にポイントします。これは部分的にバランスを整えたりコントラストを変えたりするもので、一番上は適用範囲を決めるものです。一番下に色を付けるスライダーがありますのでこれを高めると、カラー写真にあった元の色が復元されます。

SILVER Efex Pro 花 完成
 3箇所程ポイントしてみました。どうもはっきりしません。こういう作画の場合は、それ用にもっと対象が明確になった撮影を行うべきのようです。

SILVER Efex Pro 傘 元画像
 ということで、もっと派手な材料を使ってみます。戦前メイヤー トリオプラン 25mm f2.8を使っています。

SILVER Efex Pro 傘 コントラスト
 ぼけているし、光が滲むように拡散し過ぎていますので、COLOR Efex Proでコントラストを調整します。まあ、こんなものでしょう。

SILVER Efex Pro 傘 モノクロ
 続いて、SILVER Efex Proで色を取っていきます。

SILVER Efex Pro 傘 完成
 完成しました。どうも色が薄過ぎるように思います。

SILVER Efex Pro 傘 さらに一押し
 そこでさらにCOLOR Efex Proに戻って、コントラストを高めますが、コントラスト用のフィルタは複数ありますので、一つでは効果がないとばかりに2重に浴びせます。さらにブリーチまで掛けてやっつけました。よくよく見ると、やり過ぎの感があります。まあ、だいたいこういう感じのことができるということです。デフォルメ感が強いので、観光地の広告みたいです。

SILVER Efex Pro ビール
 理想としてはこういう感じでしょうか。全体をセピア基調として、ビールの黄色だけでなく白い泡もカラーを復元しています。カラー復元部については、さらにビビッドにパンチを利かせている感じでしょうか。

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