無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

近接界というもう一つの世界3

すごく近寄った時に見える世界 - 2012.07.19


ケルン マクロスウィター 50mm f1.8
Kern Macro-Switar 50mm f1.8

 今度はスイス・アーラウにありましたケルン Kern社が製造した名玉マクロスウィター Macro-Switar 50mm f1.8で撮影しています作画をご覧いただきます。アルパ ALPA用の本レンズは製造個数が少ないということで以前から安くはなかったレンズであり、本稿のマクロ比較レンズの中でも買収額は最高ですが、それでも15年ぐらい前に買ったので今ほどの価格ではありません。現在も少しづつ値上がっているようです。ただシネ用レンズに関しては価格は安定しているので、マウント改造で使う方法もあります。撮影していますのは6月に帰国した時に、自宅と自宅の木や花を撮影したものです。

ケルン Kern マクロスウィター Macro-Switar 50mm f1.8 花
 今までの2本と明らかに違うのは、解像力です。事実、これほどの驚異的な解像力を誇るのは50年代以降のズミクロンぐらいで、この2本を凌ぐものは作られていないと言われています。(これには「写真用レンズとしては」という但し書きが要ると思います。映画用であれば、これぐらいは当然の精度のようです。)たいへん贅沢なレンズです。解像力がますます増し加わってカリカリになるかと思いきや、そんなことはなく甘さも出ています。明るさはオレストンに並び、最短撮影距離もマクロキラーとほぼ同じです。ボケの緻密さも上回っており、もはや何も言うことはありません。

ケルン Kern マクロスウィター Macro-Switar 50mm f1.8 木
 これは0.7mぐらいです。光の具合が難しいところですが、何物も克明に捉えようとするあまり、融通の利かなさはあります。しかしこれだけすっきりした明瞭さを備えたレンズはなかなかありません。

ケルン Kern マクロスウィター Macro-Switar 50mm f1.8 火鍋
 北京で毎日2時間待ちは普通という人気店,四川・川底捞(hai-di-lao)の火鍋を持ち帰りました。赤は辛いですが、白はすっきりした味です。片方だけだとしつこいですが、両方あることでかなりの満足感があります。まだ煮上がってないので、色彩がビビッドですが、マクロスウィターで撮るのでなおさらデフォルメ気味の感があります。

 マクロスウィターはかなりの優等生です。マクロが撮れるだけでなく、元々映画用レンズに開発されたものですから、動画を撮るのが本来の用途です。写真を撮っても良しと非の打ち所がありません。レンズの中の女王と言っても言い過ぎではありません。しかしこのレンズには欠けたものが少なくとも1つあります。それはメイヤー・オレストンには備わっているものです。優しさと柔らかさです。

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