無一居

空想のレンズを作ってしまう「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

古典的ドイツ光学の源流地を辿る8

ドイツレンズの"味"とはどういうものなのだろうか - 2013.11.20


ゲルツ キノ・ハイパー 55mm f3.0
Goerz Kino-Hypar 55mm f3.0

 ゲルツ Goerz社は、1926年に複数の光学会社と合併しますが、それまでは自社でガラスを製造していました。このガラスはライツ社にも提供されていましたので、1925年に発売された初期のライカレンズのガラスはゲルツ製でした。26年以降はツァイスのガラス(現ショット社)に一本化されてライカのレンズもショットのものに変わりました。前稿でご覧いただきましたダゴール Dagorはゲルツ・ガラスですので、かつて製造されていたゲルツのガラスがどんなものだったのかを知るのに貴重なものです。しかしこの時代のレンズはいずれも焦点距離が長めなので、この観点から最初期のライカレンズも貴重なものですが、この同時期にゲルツ自身も小さいフォーマット用の短焦点のレンズを作っていたことは見逃せません。ゲルツのトリプレットは伝統的に「ハイパー Hypar」という銘が採用され、主に肖像撮影に使われていました。おそらくこれとはまた違った考え方でトリプレットを映画用レンズに採用した時にその名称は「キノ・ハイパー Kino-Hypar」と銘打たれ、それは55mm f3.0というスペックでした。このレンズはスチール用として作られたわけではありませんでしたが、ライカマウントでも供給されました。ライカのサードパーティ製レンズは多いですが、これはその最初期のものでした。そしてサードパーティがライカに供給するトリプレットは不思議と結構ありますが、これはその第一号だったかもしれません。光学部のみでヘリコイドがない個体を購入しましたので、これにマウントを付ける工作を行い撮影できるようにしましたので、作例を見ていくことにします。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 跑馬地
 キノ・ハイパー Kino-Hyparに関しては、Adobe Photoshopの「自動トーン補正」後の写真がベストなので、この補正後のものをご覧いただくことにします。焦点は列車の枠に合っていますが、くっきりと浮かび上がっています。背景の描き方も明瞭でゴージャスな印象があります。あでやかではんなりとした印象のレンズです。ダゴールの項で最後にアールヌーボーとの関連性について挙げましたが、これも同じことが言えそうです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 箸
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 箸(調整後)
 オリジナル(上)とトーン調整後(下)の画を並べていますが、どちらもそれなりに魅力があります。地下の食堂なので人工の光以外はなく、かなり明るい環境です。レンズのマウントはマクロでも撮れるようにしてありますので、最大限近づいて撮影します。やはりこれも京都あたりで撮影すると相性がぴったりのような気がします。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 小籠包
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 小籠包(トーン調整後)
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 小籠包(コントラスト調整後)
 小籠包はおいしそうに撮らないといけませんので、いずれも問題ありです。上からオリジナル、トーン自動補正、これが良くなかったので次にコントラスト自動補正と自動機能だけでやってみたものです。グルメ本に載せることを考えればさらに踏み込みが必要ですが、十分に可能だろうと思います。これがもし和菓子であれば、相当高級感を出せると思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 北京音楽庁
 西单にあります「北京音楽庁」(北京コンサートホール)です。演奏会は取引先からチケットを貰った時しか行きません。それも中国音楽関係しかなく、外国楽団のツアーなどのチケットが来ることはありません。京劇などであれば自費で見ていますが、演奏会は消極的なので、この北京音楽庁は今回初めてです。国家大劇院も行ったことはなく、これまでのチケットはもっぱら中央音楽学院の大劇場だったので、今回は数少ない機会と考え、しっかり見てきました。この画は無補正です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 外の西洋風街灯
 西洋風の柵などあって、古いものなので高級感もあるし、かなり立派なところです。場所は中南海の南向と超一等地にあります。歴史のあるところは大きな駐車場がないので、ここもVIP用の駐車スペースがあるのみです。交通の便の良いところなので車で来る必要はありませんが、周辺はかなり駐車しています。霞が出ましたのでトーン補正を加えて締めました。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 音楽会の広告
 音楽庁外側の回廊は音楽会の広告や今後の予定を確認することができます。7,8割は外国の個人或いは団体で、そこに中国人が加わっていることもあります。この画は補正なしですが、本レンズの持ち味は補正後にありそうですので、以下はすべてトーン補正を掛けることにします。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 チケット売り場
 入り口はこぢんまりしていて上品です。古い建物は味があります。ここが入り口とは書いておらず、チケット売り場となっていますが、入るところは基本、ここしかないので観客は迷わずここから入っています。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 今日の演奏会
 今日はどんな演奏会なのか、二胡の演奏会という以外はわからなかったのですが、ここについてから関係者にチケットを受け取り、あたりの張り紙を見て、この人の演奏会ということがわかりました。余惠生(yu-hui-sheng)という女性奏者です。普通、二胡の演奏会というとこれまで見たものは有名演奏家や教授が自分の門下生らを前座で演奏させ、本人は最後に一曲拉くというものでしたが、今回は違いました。解放軍所属の奏者なので専属の弟子がほとんどとれないということもあるかもしれませんし、そもそも今回は軍の主催なのだろうと思います。奏者の功績を讃える意味合いのもののようです。解放軍については後ほど説明します。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 花束
 ロビー側面はたくさんの同型の花束で埋め尽くされています。この人は軍に入る前に南京音楽学院で教えていたので今でも教授と呼ばれているのか、或いは現在の解放軍北京管区に移籍してからも少し教壇に立つことがあったのかもしれません。ゲルツのハイパー、かつての大判用の長いものですが、これは解像度の高い非常に優秀なレンズだったので、このレンズも確かに「キノ・ハイパー」と映画用に変更してあるとはいえ、ハイパーの特質を引き継いだものなのかもしれません。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 サイン
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 書道
 中国の文化人は、漢字文化が大好きです。記帳スペースも大いに自由を与え、皆好きなように書いていきます。そして赤です。結婚式では持ってきた金額も書きますので自由はありません。縦にしっかり仕切られています。それで封筒を5つぐらいに分け、自分の名前と金額を5列に書いて目立たせるなどあの手この手で、見栄を張るような人はたくさんいます。全部同じだとぱっとしないので、1つの封筒は高額とするなどの工夫も見られます。そして「書」を持ち込んで人にプレゼントします。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 大きな垂れ幕
 最近は視界を妨げない小さなマイクが多用されます。たくさん使われます。マイクから背景の垂れ幕までかなり距離があります。マイクのナチュラルな浮き出し方は、まさにトリプレットならではの特質です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 プログラム
 今度は背景との距離をもっと詰めていますが、それでも特徴に変化はありません。こういう音楽ホールはスタジオ的なライティングですから、ハイパーの良さが活かされる環境だったのかもしれません。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 演奏中
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 舞台の配置替え
 上の2枚は写真で見ると、ほとんど同じコンディションに見えますが、実際には下は舞台のセッティング中なので照明を落としています。拡大して比較しますと明確な違いは、上の演奏中の写真ではどの演奏者もボケています。しかし同じ位置にいる舞台係員はそうでもありません。動いている人が流れているのみです。光が強く当たるとぼやけたような感じになるということはここでも確認できます。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 司会者
 これはトリミングして司会者が話しているところをピックアップしたものです。背景の銅鑼と周辺の椅子は明瞭ですが、司会者はそうではありません。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 写真を撮るなかれ、食べるなかれ
 「写真を撮るなかれ、飲食するなかれ」とあります。飲食は誰もやっていませんが、もう1つの方はあいまいにしておきます。もしこれが西洋の楽団であれば、撮影すると怒られると思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 軍の楽団
 プログラムの前半の伴奏楽団は、中央民族楽団でしたが途中から軍の楽団に変わり、休憩を挟んで後半に入るや、一気に軍一色となりました。中央民族楽団と北京軍区の楽団では、格はほぼ同じでいずれも中国最高です。しかし年金額がぜんぜん違います。倍どころではないとだけ言っておきます。軍は退職しても受け取る年金額はこれまでの給料と同じで非常に優遇されています。他にもあらゆるところに差があります。駅やスーパーでも軍人は並ぶ必要がないと規定されていますが、実際には並んでいます。しかも市民に譲る傾向があるので、使っていない特権もあります。解放軍の楽団というとブラスバンドという印象がありますが、全く違います。もちろんブラスセクションは軍が最強なのは間違いありませんが・・・。軍というからわかりにくいのであって、解放軍は放送利権を握っているので、実際にはこの楽団はドイツであれば放送交響楽団に相当します。中国は共産、それに加えて経済的に共産主義的とされるドイツや日本も放送響が強い力を持っています。そしてこの雇用先は収入と仕事の安定が特徴です。保守的色合いが強いので、演奏もそれを反映した特徴があり、確かなテクニックと重厚感、圧倒的な力を特徴としているのは中国でも同じです。聴く前から凄いのはわかっているのですが、それでも聴いたら驚くというぐらいの水準です。騒がしい中国人が静まり返るぐらいのレベルと言った方が、観光業に従事され苦労されている方々にはわかりやすいかもしれません。軍の楽団はテレビ出演が主な仕事なので、彼らの演奏を、こういう専門ホールで生で聴くのはほとんど機会がない筈です。北京音楽庁初登庁と共に貴重な体験ができたと思います。そしてこの写真では余惠生の親戚でおばさんにあたる人と一緒に演奏しています。おばさんは日本で言うと人間国宝で、中国でほとんど知らない人がいない程有名です。彼女の代表作を演奏するということで本人も参加することにしたようです。ホールは驚きで騒然となりました。二胡愛好家や演奏家は、中国音楽家協会から出版されているマストアイテムの曲集は、このおばさんが編集したものなので、だいたいの人がお世話になっています。おばさんも長らく軍の所属です。中国では、軍の楽団の最後尾に入るだけでも天才ですが、ソリストになるのはもはや異次元という感覚で見られています。人口が14億ですから、それは当然でしょうね。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 街灯と月
 政治と文化に関しては最高の人材が北京に集結しますので、演奏会に行っても驚くのはもはや普通なのですが、今日もなかなかだったと思います。戯劇の方が強烈ですが、軍区の楽団もそれに劣らない、というより別のものなので比較自体が成り立ちませんが、かなり強烈でした。終わったので外に出て、街灯が気に入ったのでまた撮りますが、今度は月も入れてやります。光の色をうまく変えているところもいいですね。全体的に非常に上品なホールでした。音響も非常に良かったです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 西单の遠景
 帰りは西单に戻ってバスに乗ります。遠景に百貨店群が見えますので、ぼかしてみます。これだけ品のあるレンズで映画を撮るといいでしょうね。


2015.03.26

 この玉、ぼちぼち単発的に使うことがありますので、ちょっと溜ったところで少し続けて掲載してみたいと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 老人撮影学会
 もう廃虚になっていました。看板だけ残っている感じでしたが、建物は昔の古いものだったので壊されるのは残念な気がしました。この看板は建物によく合っていたと思います。撮影が趣味の皆さんはどこに行ってしまったのでしょうか。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 骨董
 現行のコシナのレンズも若干こういう傾向の写りですが、コシナのものはここまで厳粛な写りはしないと思います。もう少し穏やかです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 黄色の揃い
 3枚買ったら安かったわけではなかろうと思います。全部縫製が違います。世代が反映されています。中国のこの種の服は専門の仕立屋がありますので、どの世代にも合わせて作れるのだと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 古代の赤い壁面
 最大限手前に引きつけて撮りましたので、ボケの傾向がよく分かるように思います。基本的に無収差に近く、トリプレットの持ち味を率直に引き出そうとしたものと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 数珠屋
 このレンズは55mm、実際ほぼ50mmなので50mm見当でライカの距離計に合わせられる程なんですが、これをその名の通り"キノ"、つまり映画で使ったら中望遠になります。ハイパーはトリプレットですから肖像用です。こういう写りの肖像用というのは今はほとんど無いような気がします。大口径が好まれるということもあると思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 裏路地
 物体は硬質に捉えますが、光は柔らかく捉えます。天気の良い日の光は硬過ぎて撮りにくいのはこのレンズでも同じですが、それでも何となく柔らかく捉えようとするところがあるように思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 格子と提灯
 描写が厳粛で重みがあるというのは時に階調表現を犠牲にしますが、しかしこのレンズはそんなことはありません。これぐらい落差のある構図でも対象が塗り絵のように潰れてしまうことはありません。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 散髪屋
 暗くなると少なくなる光の影響力が増しますので、本レンズのように光を柔らかく捉えていく傾向があると、何でも曖昧な描写になってしまう傾向があるように思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 昔の服務員の銅像
 これもそうですが、直接光が当っていないようなところでは割とはっきり写っています。これはこのレンズの個性ではなく単にコーティングが入っていない影響だろうと思います。もしコーティングを入れると良くも悪くも違うレンズになってしまうと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 小さな灯
 特にこういう被写体で独特の柔らかさを失うことになると思います。大正時代風ですが、これは今のコーティングレンズでは出ないと思います。出す必要もないのかもしれませんが。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 運河
 トリプレットという時点で一応ボケ玉の範疇に入り得るものなのでこういう構図は苦手です。


長春 - 2015.11.22

 長春は、満州帝国の首都だったところということでちょっと見に行って参りました。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 満州国皇帝時代の溥儀1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 満州国皇帝時代の溥儀2
 満州国というとやはりこの人でしょう。清朝最後の皇帝で後に満州国皇帝に即位した溥儀です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満皇宮博物院
 偽満皇宮博物院の正面正門です。現在は出口ですが。
 ところで「偽満」というのは偽満州国の意味で、本物と偽物があるのではなくて、日本で言うとGHQの建物に偽を付けるようなものです。偽りに満ちた策謀によって建設された満州国という意味です。それにも関わらず文革期にも取り壊されず、まだ残っているというのがある意味不思議な気がします。偽好きなお国柄というのもあるのでしょうか。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の政府1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の政府2
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の政府3
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の政府4
 明らかにデザインは近代日本の建築です。何となく印象が靖国に似ているような気がします。もちろん別物ですが、醸し出す雰囲気が靖国的です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の政府5
 窓の配置は欧州の様式を取り入れたものだと思いますが、しかし欧州にはこんな屋根はありません。神棚のようです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の執務室1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の執務室2
 室内はもちろん電灯はありますが、かなり暗いので、机は窓際に置いてある例が多いように思います。これは満州国政府の執務室です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満の展示室入口
 展示室は偽満、というより溥儀関係に特化した歴史的展示です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 髪と眼鏡
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 ハット
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 勲章
 ゆかりの品はいずれも溥儀関係です。トレードマークの眼鏡がまだ残っています。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 文物1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 文物2
 故宮から持ち込んだと言われるお宝です。溥儀はこういうものを鑑賞するのが好きだったようです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 ランプ1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 ランプ2
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 ランプ3
 室内の灯は立派なものではありますが、仕事をするには暗過ぎる気がします。何でも壊したり売り払ったりする中国でこれだけ残っているのは奇跡的だと思います。満州国というのは日本政府の肝いりで作られたものだから、日本本国よりもライフラインが発達していて快適、贅沢な暮らしもできたと言われています。日本人にとって良い思い出の土地だったらしいですが、それが現地人にとっても同じであれば、これだけ丁寧に残っているのは理解できる気がします。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡
 偽満国務院旧跡は日本の国会議事堂に似せて作ってあります。現在は病院の研究室棟で、創立者の像が立っています。欧米人のようです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡の柱1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡の柱2
 正面の柱は古代ギリシャ風です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡の金具
 石組みを飾る鋲があります。こういう細かいところを見ても日本のデザインだということが感じられます。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡の基部
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 日本風の壁
 政府の建物というより、神社のような雰囲気があります。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満国務院旧跡のエレベーター
 もともとはこの建物も観光用に開放されていたようで、入ってすぐのエレベーターが第一ポイントになっています。もちろんエレベーターは乗れません。ボタンも壊れて取れています。そこで第二ポイント以下を探しましたが見つかりませんでした。話によると満州国政府はここから長春駅まで地下道を作って有事の際に逃れることができるようにしてあったということなので地下にも降りて見に行きます。下水などのパイプが通っている地下通路はありますが、車が走れるぐらいの太い道路が他にある筈です。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満図書館
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満図書館の中心部
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満図書館の階段
 偽満図書館です。あまりにも小さくて現代の図書館とは比較になりません。廃虚になっています。保守管理も手が廻らないようです。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局
 偽満中央郵便局です。現代でも使われています。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局の入口
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局の柱1
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局の柱2
ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局の屋根と壁
 こちらは中だけ改装されて、中は現代の郵便局と同じです。外は昔のままですが、管理が行き届いていません。コストの問題というよりも管理する技術者が足らないのかもしれません。偽満皇宮博物院はしっかり管理されているからです。ここまで荒れてくると保守もいよいよ難しいだろうと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 偽満郵便局の古い表示
 これは簡体字なので満州国時代のものではありません。デザインも明らかに共産時代のものです。このように後代に変えられている部分もあります。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 煙突
 市内をさらに歩き回りますと、おもしろい煙突が見つかりました。焼き物の街に行くと見かけられるタイプのものですが、こういうかつての大都市だったところでは珍しいと思います。

ゲルツ Goerz キノ・ハイパー Kino-Hypar 55mm f3.0 阿満食品
 あちこちで「偽満、偽満」と言われると、こういうものまで偽満に見えてしまいます。

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