写真・映画レンズの歴史的名玉の再生産
当初は中国で作ることで進めていたのですが、最終的に東京で製造しております。
基本的にライカL39マウント距離計連動で作ります。
100年以上長期に改良されながら今でも本家の英クックが製造している名作です。古くは戦前のハリウッドで圧倒的なシェアを持っていたキノ(映画)玉ですが、傑作とされているリーによる31年設計はモノクロ時代のものです。オリジナルは映画用の画角に絞っているので、ガラスの直径を大きくしているところのみ変更しています。光学設計は変えていません。
ボケ玉と言ってもいろいろありますが、英国人がボケ玉を規定するとこうなるという見本のような玉です。大英帝国時代に世界のセンスを取り入れ、さらに洗練してきた伝統がありますので独特の絶妙なバランス感覚があります。全くの普通、普遍美の究極というのは英国人ならではです。ボケ玉を絶妙なバランスで普通に落とし込んでいます。そう考えると、これをf1.9に変更は違うのではないかと。f2のままで製造いたしました。
無一居 院落P1で香箋G1をライカM9にて撮影
ライカ・タンバールと同じような特性のレンズを60mm(厳密には58mm)に変えて作りたいということで開発しました。キノ(映画)用の収差が入っていますので扱いやすい玉ではありません。発色がこれだけ艶やかに表現するものは他にないでしょう。国産のミラーレスでは艶やかな色はなかなか出せないのですが(進歩もしてくるとは思いますが)、デジタル処理で色を加えるのと、元からあるものを引き出すのでは違うので、デジタルで調整した時に着色とは違う良さが感じられると思います。
ライカ L39距離計連動です。ゴールド(Nr.70-99)は真鍮剥出しのもので酸化が進むと色が濃くなってきます(既に濃い黄色になっております)。ブラック焼き付け(Nr.20-69)は弱く、角が剥がれやすい仕様でオーダーしていますので、角を磨いて真鍮地を出すなどして使うこともできます。ブラックのみガラスコーティング無しのモデル(Nr.01-19)もあります(モノクロ撮影はコート無しが良いと思います)売切。製造は100本のみで追加生産はありません。重量は360gです。