無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

過去の名玉の復刻
Japan Made

 「無一居」製作のレンズは、基本的にライカL39スクリューマウントで作ります。すべて手動マニュアル操作です。技術的に可能な場合はニコンF、キャノンEOS、M42マウントに使えるものも提供します。焦点距離が短いもの、だいたい60mm以下は一眼レフにはほとんど提供できません。


天下の宝玉 キノ・プラズマット「院落」P1 50mm f2

2021.01.26

 一世紀近く前に作られたレンズですが、これほど品の漂うレンズはなかなかありません。独特の光学設計が特別なものを引き出すのでしょうか。記載されているデータを一切変えずにそのままスケールダウンしてライカ50mm L39マウント 80cm近くまで距離計連動します。詳細は「院落」P1を参照して下さい。3つのデータがありますが、その3番目です。

 パテントデータはf2、これで製品化され、後にf1.9、それからガラスを換えてf1.5という変遷ですが、f1.9の現物が見つかりません。本当に存在があるのかわからないのですが、f2のデータでf1.9でもそのままいけることからデータを変えない限り同じものなのは確かです。P1は当初f1.9でいこうということでしたが、f1.9というものが実際には存在しないのであれば、或いは極短期で終了したものであれば、f2にした方が良いのではないか、光学設計はオリジナルのままという方針なのでやはり口径も普及したものと同じにした方が設計の意図がわかりやすいのではないかと思っています。それでf2に変更いたしました。- 2021.02.28

 レンズコーティングについてですが、プラズマットの描写にコーティングはマッチしますか? デジタルも性能が上がっていますし、鏡筒内部の処理技術も上がっていて、それならレンズの方はコート無しでもいいのではないでしょうか。無しの美しさを手堅さと引き換えるのは勿体ないことです。無しにした上で必要であればPLフィルターを使う方が合理的です。有り+PLともまた違いますし。こういうニーズがそれなりにあるので、シグマがFF Classic Primeというシネレンズセットでノンコートのものを出したぐらいです。ノンコートはまずフレアが気になります。そういうシーン中心で撮影した動画も掲載されています。一度、ノンコートを体験すると戻れないのではないでしょうか。デジタルが硬すぎたりするのでなおさらです。それでも反対はありそうです。先行予約で製造個数のバランスを決めようと思います。コート無しの予約が少ないことは考えにくいので、もし有りが非常に少ない場合は相談させていただきます。

院落P1光学図

 古いプラズマットの描写が淡い感じで、そういうのを持っておられる方もいらっしゃると思いますが、オリジナルデータという客観的な指標を見る段階からやっぱりツァイス系だからかコントラストが強いです。古いレンズは劣化もしていて、それとはもはや同じではないということもありそうです。良いコンディションのものだと古いものでも発色は良い筈です。f1.5で有名ないわゆる「グルグルボケ」はそんなに強く出ず、f2はどちらかというと周辺へ流れる印象です。いずれにしても収差の顕在化は善用できない場合は表面化させないように使い、収差が出ること自体に価値を持たせるわけではありません。秘めた美を追求するものなので、収差が消えるf5.6から8倍のf2の間でどういう表現を追求できるかということになります。センスが求められますが、一方で動画なら比較的容易に使えると思います。

 ドイツ語でキノ(英語でシネ、シネマ)を冠する本作は映像関係の用途も想定されます。元は映画のレンズですから動画でこそ活かされるでしょう。今の世の中で映像というのが重要になってきていて、YouTuberにならなくても撮影の必要性が多くなってきています。Zoom会議も多くなってきています。映像の質で売り上げが変わるので重視されています。しかし映画用のレンズとなると巨大なプロ用になってしまいます。映像の場合はヘリコイドのピッチが違います。写真用より倍ぐらい回転します。つまり微妙なピント合わせができる反面、遠いところから急激に合焦させるのは苦手です。写真はその逆です。中間をとって、どちらも対応します。3/4回転ぐらいで80cm近くまで寄れます。絞りもクリック無しです。動画はクリックがない方が良いためです。

院落P1後玉

 M42マウントでも検討したのですが諦めることになりました。ギリギリとされているのがヤシカの記載のレンズですが、これよりも出ます。EOS EFもスレスレです。ミラーを使わなければ撮影は可能なのですが、コストも上がりますので中止いたしました。

 院落P1は先行予約前払いで3月25日までに50近くあったら100製造しようと考えています。予約が少なければそれに応じて少数生産します。製造の木下光学さんからは完成まで最大5ヶ月かかると言われていますので納品は夏から遅ければ秋になりそうです。先行は¥125,000で、以降は¥155,000です。この価格は100個生産できた場合ですが、少量生産は価格が上がるので先行予約の方には赤字を避けるギリギリで製造します。そのギリギリをなんとか¥125,000にしたいところです。そうすると結構作らねばなりません。その数は幾つなのか、現在見積もり中です。余剰分で利益を乗せますが少量生産の場合は現状では¥180,000にさせて下さい。もちろん100作れば¥155,000ですが無理だと思っています。- 2021.03.05

院落 P1 50mm f2 先行予約 ¥125,000

先行予約分個数:13
 (3/25まで。終了頃に外国人たちにも聞きますので記載数より多くなります。最終的に20ぐらいかもしれません)。
2021.02.26時点で約10本のご予約でコーティング有りが2つしかありません。オリジナルのプラズマットは最初はコーティングがなかった、開発されていなかったためですが、後に追加でコーティングする注文を受け付けたようです。コーティングすると少しコントラストが増します。フィルムだと良いのでしょうけれども、これがデジタルではきつく出ます。古典の柔らかい描写を求めているのに、何か違う感があります。それでもコート有りの要望が一定数あればその方々と相談して決めたいと思います。


 キノ・プラズマットに関してはおそらく2020年にMS-Opitcal 宮崎光学さんから「VARIOPRASMA 50mm f1.5」が発売されています。以前はあった筈のオフィシャルサイトが見つからないのでリンクは貼っていません(製品自体は検索で出ると思います)。キノ・プラズマット、決して使いやすい類いのレンズではありませんね。だけど名レンズです。ここにギャップがあります。宮崎さんはそこを考えて、欲しい描写と使いやすさを両立したのではないかと思います。プラズマットも本物の光学設計を持ってくると結構キツいので、宮崎さんの方がいいという方も少なくないのかもしれません。



タンバールへのオマージュ「花影」S1 60mm f2.2

2014.07.13完成

 ライカ・タンバールと同じような特性のレンズを60mmに変えて作りたいということで開発しました。タンバールのような幻想的なレンズはなかなかないからです。その経緯と詳細は「花影」S1を参照して下さい。タンバールは軟調とキノ(映画)の混合ということですが、キノ用の収差が強く出て、本物のタンバールのような平面は出ていません。「キノ・タンバール」です。本家タンバールは動画には使えないですが花影S1は使えます。キノの収差は経緯と詳細に詳しいですが、アストロ・ベルリン パン・タッカーの特許データ1つ目を強くしたものに酷似しています。しかしレンズ構成と選定はベレクです。2つ目のデータを強力にしたのがほぼキノ・プラズマットです。それでパン・タッカーは2種ありますがいずれも生産しません。

花影S1 花影S1a
 ライカ L39距離計連動です。ゴールド(Nr.70-99)は真鍮剥出しのもので酸化が進むと色が濃くなってきます(既に濃い黄色になっております)。ブラック焼き付け(Nr.20-69)は弱く、角が剥がれやすい仕様でオーダーしていますので、角を磨いて真鍮地を出すなどして使うこともできます。ブラックのみガラスコーティング無しのモデル(Nr.01-19)もあります(モノクロ撮影はコート無しが良いと思います)売切。製造は100本のみで追加生産はありません。重量は360gです。2021年4月より105,000円にさせて下さい。

花影 S1 60mm f2.2 95,000円

残り個数:黒    金 17
販売は年間2,3本ですから、その計算では10年はあるのですが?果たして・・・

花影S1 モノクロフィルム 二胡を拉くShibaten
北京新街口界隈 Shibatenさん f2.5 ライカM3 ネオパン ガラスコーティング無(北京のプロラボでスキャン)

花影S1 花
東京麻布十番界隈 花 f2.5 ライカM9 ガラスコーティング無(アプリ読込デジタル処理等一切無し)

花影S1 街灯
東京麻布十番界隈 街灯 f2.5 ライカM9 ガラスコーティング無(アプリ読込デジタル処理等一切無し)

撮影例は、
nicoblue2008様が開設されたFlickr内のグループ
花影 S1 60mm f2.2
hamashun様のブログ
花影 S1 60mm F2.2 + Leica M8 作例記事
映像はBellami Beginner様が開設されたvimeo内の
Bellami Beginner
当ウェブサイト内でもご覧いただけます。

澤村 徹氏による
「少数生産のオリジナルレンズ」という新潮流
metalmickey's montage
でご紹介いただきました。

ライカ タンバールの復刻
2016年、ライカ社がズマロン28mmf5.6を復刻しましたが、2017年はタンバールでした。

富岡光学レンズの復刻
小店が製造をお願いしている東京の木下光学研究所さんも旧・富岡光学時代の古い設計のレンズを復刻しています。大口径で3種の焦点距離から選べます。



Leica M9で撮影したものはFacebookにアップします。


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